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【主張】SDGsの達成 ジェンダー平等の取り組み加速を
全ての国連加盟国が2030年までの達成をめざす「持続可能な開発目標」(SDGs)。貧困と飢餓の撲滅をはじめ、環境保全や福祉の促進、女性の能力強化を促すことによるジェンダー平等の実現、経済発展の恩恵をあらゆる人に行き渡らせるための技術革新の推進など多様な目標を含んでいる。
期限まで残り8年となったが、国連のグテレス事務総長は「われわれは目標から遠ざかっている」と警告していることを想起したい。SDGsの達成に向けた取り組みを加速する必要がある。
日本政府は先月24日、SDGsを達成するため、今年取り組むべき具体的施策を盛り込んだ「アクションプラン2022」を決定した。
注目したいのは「あらゆる人々が活躍する社会・ジェンダー平等の実現」を同プランの重点事項の第一に掲げたことだ。例えば、20年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」に盛り込まれている、民間企業などの係長級の30%、課長級の18%、部長級の12%を25年までに女性にするといった登用目標を実現するとしている。
国内最大級の企業情報を保有する民間信用調査会社の帝国データバンクが昨年7月に行った調査によると、女性の管理職比率は平均8.9%とまだ低い。ジェンダー平等の実現に向けた機運を一層高めていくべきだ。
1995年の第4回国連世界女性会議で初めて公式に用いられたジェンダーという言葉は、男性または女性はこうあるべきだと決められてしまう社会的・文化的性差を意味する。服装や髪型に加え、言葉遣い、選択する職業、家庭や職場での役割や責任、考え方などの違いにまで及ぶ、社会に根付いてしまった差別意識であるからこそ、根本的な意識改革が求められる。
上級管理職や事務次長補、事務次長といった幹部職員の男女同数を20年1月に達成した国連では、女性の登壇者がいない国際会議には参加しないという意識が職員に浸透しているという。
国連で見られるような大胆な意識改革を進め、ジェンダー平等の実現でも、各国の模範となるような取り組みを日本が示していきたい。









