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女性に「ホッとスペース」
自由な空間提供、個別相談も
生理用品を無償配布
名古屋市
長引くコロナ禍で生活や仕事の不安を抱える女性が安らげる居場所として、名古屋市は、「ナゴ女つながーる」を開設している。ハンモックなどがある「ホッとスペース」を設けたほか、カウンセラーによる個別相談、各種講座・プチレッスン、生理用品の無償配布などを9月から実施している。すべて無料。
つながーるは、国の「地域女性活躍推進交付金」を活用。運営を公益財団法人「名古屋YWCA」に委託している。施設は、若者が集まる中心街・栄にあり、「通いやすい立地」と利用者に好評だ。
自由に過ごせる「ホッとスペース」は水・金・土曜日の午後5時から同8時まで開設。飲み物やお菓子、雑誌が備えてあり、無料のWi―Fiも使えてくつろげる空間だ。
利用者アンケートによると、つながーるを訪れる6割強の人が同スペースで過ごすのが目的。11月は1カ月間に延べ155人が利用した。生理用品を無料配布しており、スペースに置いてあるカードを支援員に渡せばもらえる。昼・夜の分を合わせた1セットを配り、11月末までに65セットを手渡した。
個別相談は予約制。オンラインでも利用できる。毎月10人ほどが相談。生き方や将来に関する不安を聞き取り、必要に応じて適切な支援機関を紹介している。週1、2回の講座・プチレッスンでは、ストレスを軽減する体操、スマホ撮影のコツなど役立つ情報を専門家が伝えている。
利用者の年齢は中学生から60代までと幅広い。悩みがあっても口に出せない場合があることから、支援員はホッとスペースにいる人の表情を見て必要に応じて声掛けをしている。アンケートに「言いたいことをなかなか話せずにいたが、察して話し掛けてくれてありがたかった」と答えた人がいた。
同法人の職員は「いきなり相談の場には行きづらいと感じる人にとって、気軽に来てもらえる入り口のような場所にしたい」と語る。
公明党名古屋市議団(田辺雄一団長)はコロナ禍の長期化で苦しむ女性への支援を推進してきた。小林祥子市議は2月定例会で、不況で女性の就労者数が減ったことや、外出制限を背景にDV被害の相談件数が増えていることを強調。女性の孤立を防ぎ、安心して暮らせるサポート体制の充実を求めた。市議団としては、経済的事情で生理用品が買えない女性を支援するため、生理用品の無償配布を行うよう要望していた。