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ワクチン3回目迅速に
交互接種、丁寧な説明を
参院予算委で山本(香)、里見氏
参院予算委員会は17日、岸田文雄首相ら全閣僚が出席して2021年度補正予算案の総括質疑を行い、公明党の山本香苗、里見隆治両氏が、新型コロナウイルス対策や子ども関連政策の充実、マイナンバーカードの活用促進などを訴えた。
山本氏は新型コロナワクチンの3回目接種に関して、迅速な接種には2回目までと異なる種類のワクチンを投与する「交互接種」が必要となることから「交互接種の安全性・有効性などに関する科学的知見をできる限り収集し、国民の理解を得られるよう国が積極的かつ丁寧に説明するべきだ」と指摘した。
岸田首相は「安全性をしっかり説明していく」と表明。また、3回目接種の前倒し実施へ「具体的な進め方を早急に確定する」と強調した。後藤茂之厚生労働相は、英国などでも交互接種の安全性は確認されていると説明した。
■子ども政策巡り首相「来年度から体制増員」
子ども関連政策を一元的に担う新たな組織として政府が23年度の創設をめざす「こども家庭庁」を巡って、山本氏は「新しい組織の定員は(既存の部署から)移管する定員を大幅に上回る体制とし、予算の大幅な拡充を」と主張した。岸田首相は、定員を大きく増やす考えを示すとともに「組織の発足を待たず、来年度より体制を増員して政策を強力に進めていきたい。安定財源の確保も幅広く検討したい」と答えた。
■マイナカード 救急での活用提案
里見氏は医療分野でのマイナンバーカード活用案として、救急隊員が患者のカードから医療情報を確認できる環境を整備し、迅速・円滑な救急活動をサポートしてはどうかと提案した。金子恭之総務相は、救急隊が薬剤情報などを閲覧する実証実験を来年度、複数の消防本部で行うと表明。他地域への取り組みの横展開も検討すると述べた。
水道施設の老朽化対策について里見氏は、法定耐用年数(40年)を超えた上下水道の割合が06年の6%に対し、18年は17.6%まで増えたと指摘。「整備ペースをさらにスピードアップするべきだ」と訴えた。
鉄道駅のバリアフリー化を加速させるため、国土交通省が整備費用を運賃に上乗せする新たな料金制度を巡っては「障がい者の(運賃)割引を従来に増して配慮するべきだ」と強調。特に精神障がい者の運賃割引の充実を鉄道事業者に働き掛けるよう求めた。斉藤鉄夫国交相(公明党)は「あらゆる機会を通じて理解と協力を求める」と応じた。
このほか里見氏は、自動車産業の雇用と技術を守りながら、脱炭素化を支援するよう強く要請した。