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2021年12月15日

コラム「北斗七星」

お正月をはじめ、祝いの場で披露される伝統芸能の一つである獅子舞。三陸沿岸では、頭が獅子ではなく、虎の「虎舞」が勇ましく舞い踊る。「虎は千里行って千里帰る」とのことわざにちなんで、海に出た漁師が無事に戻るよう願い、漁村に広まったとされている◆三陸で虎舞は復興の象徴でもある。東日本大震災の大津波は、全てを流し、多くの命を奪った。それでも人々は、時を置かず、虎舞の再開に立ち上がった。がれきの中で虎頭を探した人もいる。虎舞は、散り散りになった住民を結び付けた◆宮城県気仙沼市鹿折地区に伝わる「浪板虎舞」もまさにそう。震災後、練習を始めると、岩手県一関市の仮設住宅から駆け付けた人もいた。小学生からお年寄りまで一体の演舞に、心も一つになった◆「虎舞は絆を深め、古里も人の心もよみがえらせた」。浪板虎舞保存会の小野寺優一会長は述懐する。会員らは「みんな流されても体で覚えたものは流されない」と確信した。気仙沼市出身の川島秀一・日本民俗学会会長は「本当の復興は体に覚えているものから始まる」と語る◆地域に息づく伝統芸能は「心の復興」を支える力がある。しかし、被災地に限らず、高齢化や過疎化により担い手が不足し、存続が危ういものも少なくない。継承できるよう知恵を絞りたい。(川)

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