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【主張】収入保険制度 農業の振興支える“安全網”だ
自然災害による2018年の農林水産分野の被害額は5661億円に上り、東日本大震災が起きた11年以降では最悪となったことが農水省のまとめで判明した。
その5割以上を農業分野の被害が占める。地球温暖化の影響などにより自然災害が頻発・激甚化する中、農業のセーフティーネット(安全網)をどう強化するかは喫緊の課題にほかならない。
そこで注目されるのが、今年1月にスタートした「収入保険制度」である。
これは自然災害や病虫害といった、農業者の努力では避けられない事態による収入減が発生した場合、過去5年間の平均収入(基準収入)を基に最大で年収の8割以上を補う制度だ。
公明党が長年にわたり、国政選挙の重点政策に盛り込むなど実現を強く訴えてきたものである。
これまでも、農業共済制度に加入していれば一定の補償を受けることができた。しかし、収穫量の減少のみが補償の対象で、価格下落などによる減収は対象外だった。また、農業共済制度は対象品目が限られていたが、収入保険制度では、ほぼ全ての農作物や加工品が対象となる。
日本農業は今後、環太平洋連携協定(TPP)や日本と欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)による貿易自由化の影響を避けられず、農作物の価格変動が大きくなることが想定される。それだけに、品目を問わず減収に対する備えを用意しておく意義は大きい。
また、品目や販路の拡大をめざそうとする意欲的な農家の取り組みを後押しし、大手企業による農業参入を促すことにもつながる。日本の農業を成長産業に押し上げていくためにも、収入保険制度は重要な役割を担っていると言えよう。
実施主体の全国農業共済組合連合会によると、19年の加入は約3万5000件の見通しだ。目標の10万件を達成するには丁寧に周知・説明を一層進める必要がある。
また、加入には青色申告を行っていることが条件となる。今年の確定申告の受付は今月18日から始まる。政府は農家に対し青色申告を呼び掛けることにも努めてほしい。









