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2019年2月4日

コラム「北斗七星」

何年過ぎても夢に見る。そんな出来事はないだろうか。例えば受験。目下、高校や大学の入学試験に挑んでいる受験生には失礼か。けれど、昨今で試験対策は異なれども人生前半の試練であることに違いはない◆60年前、三陸沿岸の漁師町に東京水産大学(現・東京海洋大学)をめざす一人の高校生がいた。父親は、宮城県気仙沼市でカキ養殖を営む。1960年5月24日、はるか南米から押し寄せたチリ地震津波で被災し、負債を返すために少年は、父親と懸命に働いた。進学はあきらめざるを得なかった◆その人は畠山重篤さん。豊かな海を取り戻すために川の上流の森へ広葉樹を植える「森は海の恋人運動」で知られている。畠山さんは高校時代からの苦闘を自著『人の心に木を植える』(講談社)の後書きに記している。<その経験は、わたしに生きる力を与えてくれました。心も体も強くしてくれた>と◆東日本大震災の大津波で畠山さんは母親を失い、養殖イカダも作業場もすべてを奪われた。だが、植樹を続けた森からは、変わることなく豊富な鉄分が川へと流れ、海の植物プランクトンを育んだ。震災翌年には養殖カキが大豊漁に。豊穣の海は守られた◆「人の気持ちがやさしくなれば、自然はちゃんとよみがえってくる」。山に、人の心に木を植えながら苦難を乗り越えた畠山さんの確信である。(川)

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