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【主張】自殺9年連続減 若年層は増。分析と対策急げ
総じて改善傾向にあるとはいえ、手放しでは喜べない。微に入り細にわたる分析と対策が必要だ。
2018年の全国の自殺者数が前年より723人少ない2万598人だったことが、警察庁の集計(速報値)で明らかになった。
9年連続の減少で、ピークだった03年の3万4427人より4割減ったことになる。人口10万人当たりの自殺者数(自殺死亡率)も、1978年の統計開始いらい最少の16.3人となった。
だが、依然として日本の自殺死亡率は世界の中で高い水準にあることに変わりはない。政府や自治体は、今なお2万人を超える人が自ら命を絶っている現状を重く受け止め、防止対策に一層力を入れてほしい。
とりわけ重要なのは、一向に減少の兆しが見られない若年層への対策だ。
特に19歳以下の自殺者はここ10年余り、500~600人台で変わらず、昨年1~11月も、20代以上が前年同期より軒並み減少する中、この世代だけが543人と16人増えている(厚生労働省調べ)。
原因は進路問題や家庭不和、いじめ、性の問題など多岐にわたるが、周囲が悩みを察知できず、動機不明のまま死を選んだ未成年者も少なくない。
裏返せば、追い詰められた若者や子どもたちにとって、自身の悩みを打ち明け、助けを求めるには、今の大人社会の敷居は高すぎるということだろう。
いったいに何が若い命たちを追い詰めているのか。どうしたら彼ら彼女らを苦境から救えるのか。
国・自治体から学校、家庭、地域に至るまで、大人社会は小さな命たちが発するSOSを敏感に感じ取れる感性と知識を磨くとともに、相談窓口や専門員、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を通じた相談事業などの拡充を急ぐ必要がある。
それにも増して重要なのは、未来に生きる子どもや若者たちにとっての、この国とわが地域、学校、家庭の“居心地”であろう。
先を生きる大人の責任として、夢と希望に溢れる社会を築く。その営みが何よりの対策であることを自覚したい。









