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【主張】日欧EPA発効 自由貿易の価値、改めて示したい
日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)が1日に発効した。世界の国内総生産(GDP)の3割、貿易総額の4割を占める最大級の経済圏の誕生となる。
昨年末には環太平洋連携協定(TPP)が発効しており、日本が参加する自由貿易圏は一層広がった。二つの協定発効は、日本のGDPを約2.5%押し上げる効果があると政府は試算する。
人口減少が進む日本にとって自由貿易の拡大は、さらなる成長への重要な鍵を握る。協定発効の恩恵を国民生活の隅々に行き届かせ、景気回復の足取りを一段と確かなものとしたい。
保護主義の台頭で世界経済の先行きに暗雲が垂れ込める中、多国間による新たな枠組みの始動は、自由貿易の価値を世界に発信するという点からも大きな意義がある。
日欧EPAで日本側は、農林水産品と鉱工業品を合わせて約94%、EU側は約99%の関税を撤廃する。
輸入品の価格引き下げに対する消費者や小売業者の期待は高い。早速、欧州産ワインを値下げする流通大手も現れた。こうした動きを消費喚起の追い風にしたい。
一方、安価な輸入品の影響を受ける農業分野などへの目配りを忘れてはなるまい。
政府は2015年度以降、担い手育成やIT活用といった国内対策に約1兆円を充てている。既に国の補助金を活用し、搾乳ロボットを導入する酪農家も現れた。
これに加え18年度第2次補正予算案では、中山間地域の所得向上支援や農地の大区画化などに3256億円を計上し生産者を後押しする。国は、これら支援策の周知にも努める必要がある。
日欧EPAには、地域固有の農林水産物や食品のブランドを守る地理的表示(GI)保護制度も盛り込まれている。各地の特産品に磨きをかけ、付加価値を高めることができれば、販路が拡大し収益もアップ、担い手や後継者の確保にもつながるはずだ。
まして欧州に輸出することは「欧州基準の商品」として信頼され、世界展開の好機をつかむことになる。この点、国は中小企業を含めたブランド化支援や情報提供を進めてほしい。









