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2019年2月1日

斉藤幹事長の衆院代表質問(要旨)

代表質問する斉藤幹事長=31日 衆院本会議場

政治の安定が希望もたらす

今、世界は欧米をはじめとする多くの国では、IT(情報技術)化とグローバリズムによって拡大した貧富の格差などによる潜在的な不安や不満が国民を保護主義・排外主義へと走らせ、社会の分断や対立を生み出しています。

その中にあって、わが国も人口減少や少子高齢化という大きな不安を抱えていますが、自公政権による「政治の安定」と「経済の好循環」による雇用・所得環境の改善によって、景気・経済の堅調をもたらし、「社会の安定」へとつながっています。

国民一人一人が安心でき、希望の持てる社会を築くためには社会の安定が必要であり、それをもたらす政治の安定の継続が何よりも重要ではないでしょうか。

そのためにも本年を、首相が言われる通り、「全世代型社会保障元年」にしなければなりません。なぜ、「全世代型社会保障」が、国民の安心、社会の安定のために必要なのか。「全世代型社会保障」とは、別の言葉で言えば必要な人に必要な支援が行き渡り、誰も置き去りにしない共生社会という意味だからです。

私たちの目の前には、認知症のご家族を抱えながら仕事と介護の両立に苦闘する方や、悩みながら育児に奮闘する子育て世帯の方々、大きな自然災害に遭いながらも必死に生活の立て直しを図る被災者など、厳しい現実と葛藤しながら、懸命に生き抜こうとする生活者がいることを忘れてはなりません。

子どもの貧困の問題もその一つです。

公明党が長年訴えてきた未婚のひとり親世帯に対する税制上の支援措置が2019年度の税制改正に盛り込まれました。

離婚や死別による、ひとり親世帯の場合は税負担を軽くする「寡婦控除」が受けられます。ところが、未婚のひとり親には適用されません。

そこで私たちは、ひとり親への支援に未婚や死別などで差を設けるべきではなく、全ての子どもが平等な支援を受けられるよう主張してきました。

その結果、事実婚状態でないことを条件に、給与収入が年204万円以下の方の住民税を21年度から非課税にすることに加え、19年度の臨時の予算措置として、年1万7500円を児童扶養手当に上乗せして給付するなど、未婚のひとり親への支援が大きく前進します。

引き続き、政権与党の一翼として安倍内閣を支え、国民の安心と社会の安定を支える全世代型社会保障の充実に全力で取り組み、対立と分断のない日本をめざします。

不適切な統計

国民の信頼回復に万全期せ

厚生労働省の毎月勤労統計問題に関して、不適切な方法による調査が約15年間にわたって行われていたことは到底許されるものではなく、同省は猛省すべきである、と強く申し上げたい。

さらに、厚労省内に設置された、統計の専門家や元裁判官などで構成された「特別監察委員会」が、先日公表した報告書の調査方法は、その中立性・客観性に重大な疑義があるものでした。

徹底した追加調査を行い、国民に信頼していただける調査・原因究明、そして再発防止策を明らかにしてほしいと強く訴えておきたい。

その上で何より大事なのが、今回の不適切な統計によって、本来よりも少ない給付となっていた方については、一日も早く不足分の追加給付を進めることです。政府は、現在給付されている方へは3月から給付を開始するとしていますが、過去に給付された方へも、一刻も早い給付へ最大限努力してもらいたい。

また、不利益を受けた国民一人一人の不安を取り除くことができるよう、相談体制を強化するとともに、テレビやラジオ等も活用して国民の皆さんに丁寧にお知らせするなど、万全を尽くすべきです。

また、公明党の主張を受け、政府が他の基幹統計を再点検したところ、全体の約4割に当たる23統計で誤りが発覚しました。全くずさんと言うほかなく、言語道断です。

国民の信頼回復に向け政府全体で全力で取り組んでいただきたい。

全世代型社会保障の構築

消費税の増収分で高齢者福祉も充実

日本は世界で最も速いスピードで人口減少、少子高齢化が進んでいます。

この難問を日本がどう乗り切るのか、世界は見つめています。「全世代型社会保障」の構築を成功させなければなりません。

まず、高齢者対策です。「全世代型」とは、首相の施政方針演説にある通り、高齢者福祉を減らすということではありません。逆です。消費増税分の財源を使って低年金者への福祉給付金制度、介護保険料軽減など高齢者福祉を充実してまいります。

その上でわが国は、人生100年時代を迎えます。高齢者の皆さんが健康寿命を延ばし、住み慣れた地域で安心して暮らし続けることができるよう、包括的な支援・サービス、特に訪問医療や在宅看護の重要性が指摘されています。それを支える人材の確保が必要です。

介護現場を支える介護職員は今年10月から大幅な処遇改善が図られることになっています。ところが、訪問医療や在宅看護のニーズに対応する看護師不足は深刻です。

厚労省の調査によると、潜在看護師は71万人に上ると推計されていますが、再就職に二の足を踏む方も多くいます。

その理由に、「急速に進む医療の進歩についていけない」「責任感に耐えられない」など不安を感じている人も少なくありません。

潜在看護師の不安を取り除き、再就職に効果的な支援が求められています。

地域での包括的な支援サービスの大きな柱である訪問医療や在宅看護の充実について、首相の答弁を求めます。

認知症施策の推進

公明党の推進などにより、認知症サポーターの養成数は、延べ1000万人を突破するまでに増えていますが、その役割は明確になっていません。多くは「認知症に対する正しい知識と理解を持つこと」にとどまっています。

地域での貢献を希望する方たちが、活躍できる環境整備が求められています。

一方、早期発見・早期対応の支援体制を築くための「認知症初期集中支援チーム」の普及啓発が遅れています。

昨年、公明党が実施した「100万人訪問・調査」において、介護に直面する人の、わずか1割程度しか、その存在を知りませんでした。認知症への効果的な取り組みが進むよう、継続的な支援が必要です。

風疹の拡大防止

昨年は首都圏を中心に風疹患者が急増し、17年の約31倍にまで拡大しました。その患者の大半が30~50代の男性です。この世代の男性は、予防接種を受ける機会が一度もなく、風疹の免疫を持たない人が大勢いるといわれており、この世代への対策が不可欠です。

厚労省は新たな風疹対策として、39~56歳の男性を対象に、原則無料で抗体検査・ワクチン接種の実施を決定しましたが、対象となる働き盛りの男性が実際に抗体検査などを受けやすい環境を整えなければ実効性が高まりません。

がん対策

国立がん研究センターが昨年末に発表した調査結果において、終末期のがん患者の約4割が、死亡する前の1カ月間を痛みがある状態で過ごしていたことが明らかになりました。

緩和ケアが十分に行き届いていない実態が浮き彫りとなり、患者目線に立った緩和ケアの一層の推進が求められています。

また、がん患者の3人に1人は65歳未満でがんに罹患しているとも言われています。

治療と仕事の両立を可能とするため、「短時間勤務」や「時間単位の休暇取得」など、柔軟な勤務制度の導入支援や、使い勝手の悪い「傷病手当金」の支給要件の見直しなどを進めるべきです。

一方で、新しい治療法として期待が高まっているがんゲノム医療は、患者の遺伝子情報を分析し、体質や症状に応じた最適な薬や治療法を選択する最先端医療です。

全国どこでも、がんゲノム医療を受けられる体制整備と併せて、分析した遺伝子情報によって差別が生じないような取り組みも求められています。

そして、ゲノム医療の研究開発、特に全ゲノムの研究開発を世界に遅れることなく、早急に進めるべきです。

教育無償化 子育て世帯に恩恵

次に、消費税率引き上げによる財源で行う教育の無償化について伺います。

本年10月から、幼児教育の無償化が実施されます。認可外保育施設なども対象となりますが、指導監督の基準を満たさない施設も多く、今回の無償化を好機として、基準を満たし、さらに認可施設へ移行できるよう支援を充実することが不可欠です。

また、企業が主に従業員のために設置する「企業主導型保育」は、制度創設から約2年半が経過し、定員割れや施設の閉鎖など、さまざまな課題が生じているため、早期の対策が必要です。

幼児教育無償化の円滑な実施に万全を期すとともに、喫緊の課題である待機児童の解消に最優先で取り組み、保育士の待遇改善も図りながら、「量の確保」と「質の向上」を着実に進めるべきです。

そして、公明党が独自に訴えてきた私立高校授業料の実質無償化については、首相が施政方針演説で「来年4月から」実現することを明言されました。これによって、私立高校生の約4割に当たる年収590万円未満の世帯に恩恵が及ぶことになります。

さらに、低所得世帯の大学生などを対象に来年4月から、授業料などの減免制度と、給付型奨学金の大幅な支給額の拡充による「高等教育の無償化」が始まります。

従来の制度に比べて格段に人数枠が拡大されるため、これまで受けられなかった在学生も、世帯年収などの要件を満たせば対象になる機会が広がります。

申請が必要ですので、一人でも多くの学生がチャンスを手にできるよう、こうした情報を積極的に周知していただきたい。

幼児教育から高等教育までの無償化は、多くの子どもたち、子育て世帯に恩恵が及び、全世代型社会保障の一角を担うものです。

希望すれば誰もが必要な教育を受けられる社会の構築に向けて、教育費の負担軽減をさらに前進させていかなければなりません。

防災・減災・復興

「助け合う力」高めよう

まず、激甚化する自然災害に備えた「防災意識社会」への転換について質問します。昨年は全国各地で大きな自然災害に見舞われました。復興は着実に進んでいますが、被災地では、いまだ避難生活を余儀なくされ、仮設住宅での暮らしを強いられている方々がいます。

私たち公明党は、被災者お一人お一人が当たり前の日常生活を取り戻すまで、被災者に寄り添い、復旧・復興を成し遂げていくことをお誓い申し上げます。

公明党は、「いのちを守る」「いのちの安全保障」という観点から、防災・減災・復興という最重要のテーマを「政治の主流」に位置付け、防災意識を高める教育を含めて「社会の主流」へと押し上げなければならないと考えています。

政府の中央防災会議は昨年12月、気象庁が南海トラフ地震の「臨時情報」を発表した場合の、住民や自治体、企業が取るべき防災対応をまとめました。

「臨時情報」が出された際に、国民一人一人がどう行動するか、地震への備えを「わが事」として考えていく時代に入ったと言えます。

昨年の西日本豪雨で、多くの高齢者が犠牲になった岡山県倉敷市真備町では、浸水した地域のほとんどがハザードマップ(災害予測地図)で予測されていたにもかかわらず、住民の多くがハザードマップの内容を十分に理解していませんでした。

いざという時にハザードマップを機能させるためにも、行政が旗振り役となって住民への周知を急ぐとともに、社会全体の防災教育のあり方を改め、お互いが助け合う力を増していく必要があります。

中長期的には、行政や住民、企業が過去の災害の歴史や教訓を学ぶなど、災害リスクに関する知識と心構えを共有し、社会全体でさまざまな災害に備える「防災意識社会」へと転換していかなければなりません。

地区計画の普及

近年の災害を踏まえて、地域住民による「防災コミュニティーの力」が重要です。

住民一人一人が「災害時に何をするのか」を事前にシミュレーションする「マイ・タイムライン」(自分の防災行動計画)や、住民が主体となって作る「地区防災計画」などの防災対策を、いかに普及させていくかが喫緊の課題です。

例えば、愛媛県大洲市の三善地区では「地区防災計画」を作成しました。また、避難場所や危険箇所を記した「災害避難カード」を作り、地域住民に説明会を行いました。

さらに、高齢者など災害弱者と支援者の体制をつくるとともに、災害時の声掛け、連絡網や避難場所などを前もって決めておき、ワークショップや避難訓練を実施してきました。

その結果、昨年の西日本豪雨の際には、そうした取り組みが功を奏し地区の住民全員が無事に避難をすることができました。

福島再生

「復興・創生期間」の終了まであと2年余り。被災地では、いまだ約5万人の方々が避難生活を余儀なくされています。

特に福島においては、中長期的課題も多く、将来への不安の声も上がっており、復興・創生期間後も、国が前面に立った支援の継続は不可欠です。

政府は12月、復興・創生期間後の検討課題について公表しました。

今年度内に「復興基本方針」が改訂される予定と聞いていますが、必要な事業の確実な実施や後継組織のあり方など残る課題について、できる限り早期に方向性を示すべきです。

また、来年の東京オリンピック・パラリンピック大会の聖火リレーの出発地も福島に決まっています。これまで東北復興のために支援してくださった世界中の人たちに対し、活力あふれる東北復興の姿をご覧いただける絶好の機会と捉え、国を挙げてバックアップすべきです。

地方創生

移住者が活躍できる環境に

14年に本格的な地方創生の取り組みが始まって以来、約4年半が経過しようとしています。

地方創生には、構想・準備期間を含めて一定の時間が必要ですが、この間に、各地域の創意工夫により、着実に成果を上げているところがあります。例えば、大分県豊後高田市では、18年前から昭和30年代の商店街を再現した「昭和の町」を創設。その後、地方創生関係交付金なども活用し、町の創設以来15年で、観光消費額・観光者数ともに約10倍に達しています。

しかし、国の同交付金による事業計画は最長5年で、その先は未定です。ある地域では「まだまだ事業に取り組みたい」との不安の声もあります。

地域主導の柔軟な発想を生かしつつ、それぞれの自治体が安心して継続した事業に取り組めるよう、事業計画期間の延長・拡大を検討すべきです。

地域産業の活性化、雇用の創出

現在、政府は地方への移住支援策の抜本的拡充を行っていますが、それとともに移住した方々が住み続けたいと思える地域づくりが重要です。そのためには、移住者が活躍できる環境を整えることが必要です。

特に、若者や女性、障がい者など、働きたい方が最大限に力を発揮できるよう、テレワーク導入企業の増加や、大都市で働く人たちが地方に住みながらでも、滞りなく働けるサテライトオフィスなどの環境整備が急務です。さらに、都市のコンパクト化や地域連携の強化も必要不可欠です。中でも富山市では、公共交通を充実させ、市内の複数の拠点を結ぶ多極的なコンパクトシティーを形成。各拠点の利便性が向上し、人口集約などにより、民間投資も活発化しています。将来にわたって住み続けたいと思える地域づくりこそが地方創生の要です。

農林水産業の振興

昨年末、TPP11(環太平洋連携協定)が発効しましたが、農林水産業の現場では、生産額の減少などを懸念する声があります。

政府は、国内経営安定対策に万全を期すとともに、農林水産物などの輸出額を19年までに1兆円とする目標の達成に向けて、輸出促進を後押しする施策が求められています。

そのためには、新しい農林水産業のスタイルを構築し、所得向上や担い手の育成を一層加速させなければなりません。

その最大の施策が「スマート農業」の推進です。

ロボット技術やICT(情報通信技術)を活用することで作業の効率化をめざすものです。具体的には、ドローン(小型無人機)を活用した農薬の散布や、収穫物の揚げ降ろしに活用するアシストスーツなどが挙げられます。

こうした「働き方改革」により、新規就業者の早期育成や女性活躍の推進など多大な効果が期待できます。

さらに、就農前後に補助金を交付する農業次世代人材投資事業も着実に進め、担い手確保を進めるべきです。

観光、外国人材

出国税の効果的な活用を

増加する訪日外国人

昨年末、わが国では、訪日外国人旅行者数が3000万人を突破し、20年の東京オリンピック・パラリンピック大会の開催が迫る中、訪日外国人のさらなる増加が見込まれています。

観光産業が、日本経済の成長とともに地方創生に果たす役割は、ますます大きくなっています。

一方で、訪日外国人急増に伴う地域住民の生活への影響や観光の満足度の低下、交通事故、違法民泊、さらには災害時の対応などが課題となっています。

特に人気の高い観光先進地などに、その影響が顕著で、対策が急がれます。

わが国全体の観光施策として、観光集客の偏在是正、地方分散化を推し進め、「地方の活性化」につなげていくことも重要です。

また、1月から徴収が始まった出国税「国際観光旅客税」については、観光庁の来年度予算の7割以上を占める財源となっており、新たな観光振興の諸施策に充てるとしています。

大事なことは、税の使い道に無駄がないか、現場の多様なニーズを的確に押さえた効果的な観光施策になっているかどうかです。

旅行者や観光事業者へのヒアリング、現場の実態調査なども通じて、将来的な税収増も見据えた検証も必要です。

多文化共生社会

わが国にとって喫緊の課題である外国人材受け入れの新制度が、本年4月より開始されます。

昨年末に決定した「政府基本方針」「分野別運用方針」などは、公明党の提案が多く反映されており、評価しています。

しかし具体的な方策については、今後決定する政省令に委ねられている部分も多く、不安の声が上がっているのも事実です。

そこで、日本人と同等額以上の報酬や適正な労働条件の確保、悪質なブローカーの排除、安心して生活相談が受けられる一元的な支援窓口の設置、技能実習など既存制度の実態把握とその改善などに実効性ある具体策が求められています。

また、昨年11月の有効求人倍率が福井、富山、岐阜各県が2倍を超えるなど、地方の深刻な働き手不足解消のため、外国人材が大都市圏に過度に集中しない仕組みづくりも重要です。

外国人材が安心して働き、国民と共に生きていける真の多文化共生社会の実現に向けて、これらの課題にどう取り組むのか。首相の答弁を求めます。

科学技術立国

予算拡充し研究開発支えよ

近年、わが国の研究力の低下が憂慮されています。日本人研究者の論文発表数も減少傾向で、特に引用される度合いが高い論文、いわゆるトップ10%論文数の順位は、ここ10年で世界4位から9位へと大きく後退し、研究力に関する国際的な地位が下がっています。

その原因を端的に申し上げると、一つは、研究費が少ないこと。二つ目に、若手研究者の身分が不安定で、多くの優秀な若者が研究者の道を選ばないこと。この二つと言っても過言ではないでしょう。

まず、研究費の問題について質問します。

昨年、京都大学の本庶佑特別教授がノーベル生理学・医学賞を受賞されました。28年前の免疫学の基礎的な研究成果が受賞対象になったものです。

基礎研究は、ものごとの真理、仕組みを知りたいという動機が本質であって、何の役に立つか分からない面を持っているのは確かです。半面、思わぬ成果や発見につながることがあり、それが、より良い社会づくりに大きく貢献する側面を持っています。

本庶先生の研究を見ても、免疫細胞の働きを明らかにしようという目的で行われたものが、結果としてがんの新しい治療法につながり、多くの患者を救っています。

同じように、日本人がノーベル賞を受賞した青色発光ダイオードやiPS細胞なども、基礎研究の中の予期せぬ発見が実ったものです。

科学技術立国をめざすわが国にとって、基礎研究を支援することは国の重要な役割の一つと考えます。

基礎研究を支えているのが、国立大学や国立研究機関に交付されている運営費交付金です。これは、どこから芽が出てくるか分からない研究という畑全体に薄く広く水をまくようなお金です。

この交付金は04年に1兆2415億円あったのが、毎年減額され続け、現在約1500億円も減らされています。これが日本の基礎研究の体力を奪ったとの指摘があります。2年前から減額はストップさせましたが、運営費交付金を今以上に充実させるべきと考えます。

もう一つのお金は、いわゆる科研費(科学研究費補助金)などの競争的資金と呼ばれるものです。研究テーマを掲げて、このテーマにお金をくださいと研究費を取ってくるもので、研究費の主体をなしています。この競争的資金を含む科学技術関係予算は主要諸国で軒並み大きく増額されているにもかかわらず、日本はここ20年間、停滞しています。

研究力向上のため、科学技術基本計画に定められた政府研究開発投資の目標である対GDP(国内総生産)比1%まで予算の拡充に努めるべきと考えます。

畑全体に薄く広くまいて基礎研究を促す運営費交付金、その畑から出てきた芽の中で、大きな成果が得られそうな芽に集中的に注ぐ競争的資金を含め、研究開発投資の充実を図ることは日本の浮沈にかかわることと考えますが、首相の考えを伺います。

若手研究者への支援

もう一つの問題、若手研究者の不安定な身分について伺います。

1月21日、国立研究開発法人理化学研究所へ視察に行ってまいりました。日本の名を冠した113番目の元素「ニホニウム」を作り出した加速器施設など、世界を先導する最先端の研究現場を見学し、日本人として大変誇りに思いました。

その一方で、日本の科学技術を支える基礎研究分野の雇用環境は、とても厳しい現実を抱えています。

今回の視察先でも、若手研究者から「有期雇用で将来が不安。安心して研究できる環境をつくってほしい」といった将来を心配する声を聞きました。

昨今、大学や国立研究機関などの研究現場では、若手研究者の安定したポストが十分になく、ほとんどが有期雇用で将来的なキャリアパスが不透明であるため、将来を期待されながらも研究以外の道を選ぶ若い人が増えているとも言われています。

これからの科学技術立国を担う若手研究者に不安を与えることなく、伸び伸びと研究に打ち込める環境づくり、例えば、民間研究機関との人材交流など、国として、しっかり支援していくべきです。

また、視察の際に、女性研究者から、研究と出産・育児の両立が難しいとの不安の声もお聞きしました。

出産や育児にかかわらず、安心して研究ができるよう、施設内保育所や女性研究者への支援をより一層充実させていくべきです。

科学技術の振興は未来への投資です。若手研究者が身分、雇用の心配なく、研究に打ち込める環境づくり、ひいては科学技術立国に向けた今後の取り組みについて、首相の答弁を求めます。

斉藤幹事長に対する安倍首相の答弁(要旨)

一、(統計不正問題について)特別監察委員会は、事務局機能も含めより独立性を高めた形でさらに厳正に調査を進めてもらう。統計委員会には専門部会を設置し、一般統計も徹底検証していただく。

一、(教育費の負担軽減について)本年10月から幼児教育を無償化する。同時に待機児童の解消を強力に進め、保育士のさらなる処遇改善など、質と量の両面から子育て世帯に大胆な投資を行う。公明党から提案された私立高校授業料の実質無償化では、来年4月からの着実な実施に向け取り組む。

一、(防災・減災について)地域の防災リーダーを中心に、市町村や住民などが地区防災計画や避難計画などを策定しやすくなるよう、アドバイザーの派遣やシンポジウムの開催など、地域防災力の向上への取り組みを支援していく。

一、(地方創生関係交付金の事業計画期間の延長、拡大について)地方ごとの事情に応じた柔軟な対応が可能となるよう、本年の第2期総合戦略の策定に向けた準備の中で前向きに検討する。

一、(研究開発投資の充実について)来年度予算で、科学技術関係予算を今年度と比べて10%以上増加する。運営費交付金も官民を合わせた研究開発投資全体の充実につながるよう、大きく改革する。

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