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日本再生へ第一歩
コロナ克服万全期す
困窮者・企業に手厚い支援
政府の経済対策で竹内政調会長に聞く
政府は19日、事業規模78.9兆円の「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を閣議決定しました。対策の意義や公明党の主張が反映されたポイントなどについて、公明党の竹内譲政務調査会長に聞きました。
――なぜ経済対策を実施するのですか。
新型コロナの新規感染者は減少傾向ですが、足元の経済状況を見ると、今年7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算でマイナス3.0%、2四半期ぶりのマイナス成長です。今回の経済対策では、先の衆院選で約束した通り、日本再生への第一歩として誰もが希望を持ち安心して暮らせる未来を開くための具体策を示したものです。
まず、感染拡大への備えを万全にすることで、国民の不安解消に努めます。具体的にはコロナ対策として、全体の約半分となる事業規模35.1兆円に及ぶ施策を用意しました。ワクチンの3回目接種を無料で行い、経口薬(飲み薬)も年内実用化と必要量の確保を進めます。
その上で、長期化するコロナ禍に対して、家計、企業などへ集中的かつ力強く支援を行い、一日も早い再生をめざします。併せて、日本経済の再生に向け、観光支援策「Go Toキャンペーン」を再開させるなど、消費喚起に取り組みます。内閣府はこうした経済対策全体でGDPが5.6%程度押し上がると見込んでいます。
――生活困窮者への支援を優先すべきとの指摘が強いですが。
公明党はこれまで、コロナ禍で生活が厳しくなった人への給付などを実現してきました。衆院選マニフェストでも「生活困窮者の生活を守る給付金の支給」を掲げ、政府に早期実現を求め、この経済対策にも反映されています。
例えば、住民税非課税世帯に対し、1世帯当たり10万円を申請不要の「プッシュ型」で給付します。生活困窮者自立支援金、総合支援資金(初回)、緊急小口資金、住居確保給付金といった支援策の申請期限も来年3月まで延長します。困窮する学生にも学びを継続するための給付金を支給します。
マスコミ報道では「18歳以下への10万円給付」が注目されましたが、指摘の多い生活困窮者への支援は手厚くなっています。
公明の提言 随所に反映
18歳以下に10万円相当を給付
子ども・子育てをサポート
――その18歳以下(高校3年生まで)への10万円給付については。
自民、公明両党で協議した結果、夫婦と子ども2人の世帯では、児童を養育している者の年収が960万円未満を対象とします。これは18歳以下の子どもがいる世帯の9割に当たります。
また、10万円のうち年内に現金5万円を迅速に給付するため、中学生以下については児童手当の仕組みを活用することで、申請不要で支給されます。
この10万円給付は、公明党が掲げる「子育て応援トータルプラン」とともに、子育て・教育を国として力強く支援する取り組みの一環です。明確な政策目的があり、バラマキの批判は当たりません。
最大2万円分のマイナポイント
デジタル化、消費喚起後押し
――社会経済活動の再開、消費喚起策も求められます。
デジタル社会の基盤となるマイナンバーカードの普及と消費喚起を“一石二鳥”で進めるため、カード新規取得者や保有者に1人当たり最大2万円分のマイナポイントを付与します。これは全ての人が対象となります。
観光支援「Go Toトラベル」事業や飲食支援の「イート」事業の再開については、ワクチン・検査パッケージの活用など感染症対策の徹底が前提です。
原油価格高騰の影響に対応
現場の声踏まえ灯油費助成
――原油価格高騰による影響への対応も急がれます。
山口那津男代表をはじめ、各地の公明議員が聴いた現場の声を踏まえ、政府に支援策の早期実施を働き掛けています。この経済対策では、地方自治体による生活困窮者向けの灯油購入費助成などを特別交付税の対象に加えます。原油高の影響を受けやすい施設園芸農家や漁業者、トラック業界の経営安定化策も実施します。
――今後の取り組みは。
経済対策の財源は、2020年度予算からの繰越金などを活用した上で、21年度補正予算、22年度予算に盛り込まれる予定です。まずは、12月召集予定の臨時国会で補正予算の成立に全力を注ぎます。
早期執行に向けた準備も進めます。特に、18歳以下や住民税非課税世帯などの給付、新型コロナのワクチン接種、マイナポイント付与の前提となるマイナンバーカードの発行は実施主体となる自治体との連携が不可欠です。公明党の特長である議員ネットワークを最大限に発揮し、地方議員と連携を取りながら、迅速な実行に努めていきます。