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「18歳成人」省庁連絡会議
環境整備へ政府一丸
消費者教育や成人式など課題ごとに工程表を作成
成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案に関連し開かれた連絡会議の初会合=4月16日 法務省
「18歳成人」の課題解決へ、関係省庁が連携――。政府は、民法の成人年齢を18歳に引き下げることに伴う環境整備に向けて、公明党の要望を踏まえて関係省庁の連絡会議を設置。4月16日に初会合を開催した。成人年齢を18歳に引き下げる民法改正案は、同24日の衆院本会議で審議入りしており、連休明けに国会での議論が本格化する見通し。同法案が今国会で成立すれば、2022年4月1日に施行されるため、政府は継続的に省庁横断の連絡会議を開き、準備を加速する。
「18歳成人」の検討課題
・消費者教育や消費者保護の強化
・成人式の時期やあり方
・若年者の自立支援
・与信審査の厳格化
・「18歳成人」の周知
連絡会議は法相を議長、内閣官房を調整役に、法務、文部科学、厚生労働、経済産業の各省と、内閣府、金融庁、消費者庁で構成。
初会合では、懸念される消費者被害の拡大を防ぐため、20年度までの3年間を集中期間と位置付け、高校生、大学生を対象に消費者教育の充実・強化を図ることで一致。具体策として、消費生活センターによる大学や専門学校への「出前講座」などが提示された。
今後は、消費者教育や保護の強化とともに、成人式の時期やあり方、ニートやひきこもり、不登校といった自立困難な若年者の支援強化、与信審査の厳格化のほか、成人年齢が引き下がることの周知などについて議論。こうした課題について個別に工程表を作成し、実施状況を関係省庁が共有しながら、施策を進める方針だ。
読売新聞が3~4月に行った世論調査では、成人年齢の18歳引き下げについて賛成42%、反対56%と、国民的理解が深まっていない実態が浮き彫りとなった。
公明の要望受け設置
国民の中にさまざまな不安や懸念がある現状も踏まえ、公明党は省庁連絡会議の設置を提案。国重徹・党法務部会長(衆院議員)は、「民法改正は明治から続く『大人』の定義を変える大改革であり、環境整備に政府一丸で責任を持って取り組むべき」と語っている。