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2021年11月10日

北海道東部太平洋沿岸 赤潮ダメージ深刻

現地ルポ ウニ、サケなど大量死 
被害額最大 漁業者支援が急務に 
前例ない低水温域での発生 

北海道東部の太平洋沿岸では今年9月中旬ごろから、赤潮の発生が原因とみられるウニやサケなどの大量死が相次ぎ、漁業に深刻なダメージを与えている。低水温域で赤潮を発生させるプランクトンによる被害は国内では初めてで、被害額は過去最悪のレベルに。関係者からは、「今年だけで終わるのか」と、先行きを不安視する声も聞かれる。公明党は発生当初から現地調査を実施。党道本部に対策本部を設置し、漁業者への支援などに全力を挙げている。=北海道支局・村上亨

「ウニがここまで死滅しては、漁業者の生活も成り立たない。生育期間が3、4年かかることを考えると漁師として再起できるのかとさえ思う」――。北海道厚岸町の厚岸漁協の川崎一好代表理事組合長は、海中で白く変色し、大きく育つ前にへい死したウニの写真を手に沈痛な表情で語った。

9月20日、釧路市内の漁港で赤潮の発生が確認されたのを皮切りに、同24日には厚岸町などでウニやサケなどが大量に死んでいるのが発見された。以降、道東の太平洋沿岸に面した根室、釧路、十勝、日高各地方の広範囲で被害が拡大している。

これまでに道がまとめた漁業被害額では、ウニが約71億8000万円で最も多く、この季節の主力魚種である秋サケが6700万円。養殖サクラマスやツブ、タコなど幅広い魚種で約7億4800万円などとなっており、現在までに約80億円を超える被害額となっている。道や水産庁によると、国内の赤潮被害としては過去最悪となり、道水産振興課は、「さらに被害額は拡大する見通し」としている。

カムチャツカから親潮に乗って南下

赤潮の発生はこれまで、国内でも温暖な西日本を中心に、各地に被害をもたらしてきた。今回、比較的低水温である海域でこのような大規模な漁業被害が出たことに関して、関係者は「長年の経験でも、見たことも聞いたこともない」と口をそろえる。

道や地方独立行政法人・道立総合研究機構(道総研)などは先月、赤潮発生のメカニズムについて、「カレニア・セリフォルミス」という植物プランクトンを中心に異常発生したことが原因と推定。道総研水産研究本部企画調整部の小宮山健太主査は、昨年10月にロシア・カムチャツカ半島沿岸で発生した同プランクトンが、親潮に乗って南下し、この海域に流れ込んできた可能性を指摘している。

さらに同氏は、昨年はカムチャツカ半島周辺でもウニや貝類に大きな被害が出ていたことに言及し、「このプランクトンが原因で、赤潮が発生したのは国内初。ロシアの研究では、11度と低い水温でも活動できることが確認されている。今後、長期間にわたって被害が続く可能性も否定できず、しばらくの間は注視が必要」と強調。プランクトンの分布や水温、塩分濃度などのデータを蓄積するモニタリングを強化し、原因究明を急ぐと話している。

公明、対策本部を設置 調査活動などに全力

へい死したウニなどの状況について説明を受ける横山氏(左端)=10月15日 北海道えりも町

公明党道本部は、赤潮発生直後から横山信一参院議員や佐藤英道衆院議員が地方議員と連携し、被害状況の確認や現地調査をつぶさに実施。今月8日には、道本部内に対策本部(本部長=稲津久代表・衆院議員)を設置し、漁業者支援に全力を挙げている。

関係者への聞き取りを進める中で浮き彫りになったことがある。不漁や災害時の補償として国が助成する「漁業共済制度」について、天然採取のウニは対象外であり、安定した水揚げを行ってきた養殖ウニも、同制度への加入者が少ない現状が分かってきた。

サケに関しては、過去5年間の漁獲額のうち、最高と最低の年を除いた3年間の平均額を基準に助成額が算定されることになっている。近年は、記録的な不漁が続いていることから、補償額は低くならざるを得ず、「支払われても事業継続が難しい」との声も寄せられた。

こうした現状に横山氏は、「ウニやサケは、共済制度だけでは支援が行き届かない。漁業者や漁協経営を後押しするため、現場の要望に沿った具体的な救済策を国に強く求めていく」と語っている。

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