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2019年1月19日

無料Wi―Fiの整備加速

東京五輪・パラリンピックへ

2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、外出先で携帯電話やスマートフォン(スマホ)をインターネットに接続できる無料の公衆無線LAN(Wi―Fi)の整備が、観光地を中心に全国で加速している。公明党も強く推進してきた無料Wi―Fiの普及状況などを追った。

観光地

Wi―Fiに接続したスマホで観光情報を調べる訪日客=16日 東京・台東区

利用スポット3年で3.5倍
4万カ所 (15年) → 14万カ所 (18年)

訪日客のニーズ高く

都内でも屈指の観光名所・浅草がある台東区には、年間800万人を超す訪日外国人旅行客(訪日客)が訪れる。観光に役立つように街の至る所に無料のWi―Fiスポットが設置されている。

初めて日本を訪れたという米国の女性は、仲見世通りに設置されたWi―Fiスポットで、スマホを使ってネットに接続し周辺の地図を検索していた。彼女は「知りたい情報をいつでも取得でき、とても便利だ」と語る。また、フランスから来た男性は、「空港でモバイルルーター(持ち運び可能な通信端末)をレンタルしたが、ここでは必要なかった」とニッコリ。

訪日客が旅先で困ったこと

観光庁が14年度に実施した訪日客への調査によると、「旅行中に困ったこと」として、全項目の中で最も多い46.6%の人が「無料Wi―Fi環境」と答えた【図参照】。こうした調査結果を踏まえ、国は観光地を中心に環境整備を加速。Wi―Fiスポットの数は観光庁が把握しているだけでも、15年4月の約4万カ所から、18年12月までに約14万カ所へと、3.5倍に増加している。主な観光地には、ほぼ設置されている状況だ。

17年度に実施した同様の調査では、無料Wi―Fi環境に対する不満は3位に後退した。それでも訪日客の増加と行動範囲の広がりで、依然としてニーズは高い。

都はアンテナ700基めざす

東京都は、若者や訪日客でにぎわう渋谷やお台場などの10地域と、五輪会場周辺で無料Wi―Fiの整備を進めており、19年度までに全700基のアンテナ設置をめざしている。

鉄道

新幹線、在来線で拡大中
東京メトロ20年までに全車両に

観光地だけでなく、公共交通機関でも無料Wi―Fi整備が進む。

国土交通省は昨年6月、全国の新幹線車両と、停車する全108駅で、18年度中に無料Wi―Fiのサービスを開始すると発表した。また、訪日客の利用が多い在来線特急でも導入が進んでおり、特急ひだ(名古屋―富山)や快速エアポート(札幌―新千歳空港)の車両内では、昨年秋からサービスが始まっている。

一方、都内では、都営地下鉄と東京メトロの全13路線で導入を推進中だ。

東京メトロは、東西線や千代田線など一部の車両で提供している無料Wi―Fiサービスを、20年夏までに全路線の全ての車両に導入することにしている。都営バスは、既にほぼ全車両で使える状況にある。

ただ、無料Wi―Fiは、運営する事業者ごとに利用者が登録手続きをする必要があるため、使い勝手の悪さを指摘する声もある。そこで東京都は15年12月、東京メトロや都営地下鉄、都営バスなどで一度登録すれば、どの交通機関でも利用できる仕組み「FREE Wi―Fi&TOKYO」を導入し、利用しやすくしている。

党青年委もVAに掲げ後押し

こうした動きを後押しするため、公明党青年委員会は現在、全国で実施している若者向け政策アンケート「VOICE ACTION(ボイス・アクション=VA)2019」の政策提言の一つに、電車内などでの無料Wi―Fiの整備を掲げ、若者の声を募っている。

防災

目標3万カ所 避難所など設置急ぐ

Wi―Fiは近年、災害時の有効な情報伝達手段としても注目されている。

インターネットの利用が日常生活に欠かせない中、16年4月に発生した熊本地震では、災害情報の収集や家族の安否確認のために、避難所に設置されたWi―Fiが威力を発揮した。民間の調査によれば、被災した人の9割超が通信手段として「Wi―Fiが役に立った」と答えている。

背景には、東日本大震災の教訓がある。東日本大震災の発災直後、携帯電話会社によっては平常時の60倍近くの通話が一時的に集中したことで通信制限がかかり、不通の状態が続いたからだ。携帯電話に依存し、代替手段となるWi―Fiの整備不足という課題が浮き彫りになった。

そこで総務省は現在、災害時の情報伝達手段を確保するため、避難所や役所など全国3万カ所の防災拠点でWi―Fi整備を進めている。

来年度中の達成をめざしており、昨年10月までに80%が整備された。

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