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「温かみのある冊子に」
来年度中に低出生体重児用を作製
母子手帳と併用し細かく成長記録
公明県議、知事と団体を橋渡し
神奈川県
神奈川県は、低出生体重児の成長などを細かく記録できる冊子「リトルベビーハンドブック」を、来年度中に作製・配布できるよう、現在、準備を進めている。小さく生まれた子の母親たちでつくる団体「神奈川リトルベビーサークルpena」(坂上彩代表)の声を受け、公明党の西村恭仁子県議が提案し、実現への道を開いた。
「リトルベビーハンドブック」は、母子手帳だけでは記入が難しい、1500グラム未満で生まれた子ども用の発育曲線を掲載しているほか、入院中からの成長の様子などを書き込むことができる。先輩ママからの励ましを載せた“静岡県版”も参考にしながら作製する考えだ。
2018年に芽ちゃんを370グラムで出産した坂上さんは、妊娠が分かってから、母子手帳に細かく成長を記入していた。ところが、手帳の記入欄が、小さく生まれた芽ちゃんの成長と合わず「内容がぐちゃぐちゃになり、言いようのない悲しいものになってしまった」という。
「小さい子でも周りの子と同じように成長を喜び合いたい」。坂上さんは今年7月、リトルベビーハンドブックの作製を促すため「pena」を設立。県担当者に何度も要望を伝え、協議を続けていたが、実現には至っていなかった。
このことを知った西村県議は、オンライン上で坂上さんらと対話を重ね、9月定例会で思いを代弁。黒岩祐治知事から「リトルベビーハンドブックの取り組みは、非常に有意義であると認識している」との答弁を引き出した。
さらに西村県議は10月、黒岩知事と坂上さんらとの面談の場をセット。席上、坂上さんらは「リトルベビーハンドブックは低出生体重児を育てる親の希望になる。ぜひ神奈川県で作ってほしい」と知事に直談判した。すると、知事は自身の孫が低出生体重児だったことを明かし、涙ながらに「温かみのあるハンドブックを作りたい」と約束し、実現に向けて大きく動き出した。