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2019年1月18日

【主張】混迷する英国 現実味増す「合意なきEU離脱」

英国が混迷を深めている。

欧州連合(EU)から離脱する条件などを定めた合意案について、英下院は歴史的大差で否決した。

支持を訴えてきたメイ首相は窮地に陥り、3月29日に控える離脱の先行きは不透明さを増している。このままでは「合意なき離脱」が現実味を帯びるばかりだ。

今後は、メイ氏が21日にも示す代替案の行方が焦点となる。ただ、与党・保守党内が残留派と離脱強硬派に分裂し、最大野党・労働党が協議に後ろ向きな中、過半数の支持を得られるような妙案を見つけるのは容易ではない。

局面打開を狙った内閣不信任案は否決され、総選挙の実施や国民投票の再実施の可能性も低い。議会制民主主義の母国は手詰まり状態になってしまったようにも見えるが、超党派で打開策を探る努力を続けるべきだ。

仮にこのまま無秩序に離脱した場合、英国とEU間の人やモノ、サービスの往来に甚大な支障が出かねない。

通関手続きや関税の復活で物流が滞り、医療品や食料など生活物資が供給不足になると予測されている。英国では買いだめ行為が始まっているという。英国の運転免許だけではEU域内で運転できなくなる恐れもある。

英国中央銀行は、合意なき離脱によって、国内総生産(GDP)が2019年に最大で8%下落すると予測する。これは、08年のリーマンショックを上回る下げ幅である。英国は世界第5位の経済規模を持つだけに、影響は広く世界経済に及ぶことが懸念される。

こうした混乱を避けるためには、離脱期日を延期するしかないとの見方が強まっている。英国とEUは合意なき離脱の回避へ建設的な議論を尽くしてほしい。

“最悪の事態”への備えも怠ってはなるまい。

英国には約1000社の日本企業が拠点を置く。影響を少しでも和らげるため、4月初旬に休業日を設定したり、現地法人をドイツやフランスに移設するといった対策を進めている企業も多い。

離脱を巡る混乱が長期に及ぶ可能性もある。日本政府はあらゆる事態を想定し、情報提供に努める必要がある。

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