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コラム「北斗七星」
自宅を“アポなし”で訪ねる時は、ほとんど留守だ。地元の議員OB(78)である。先日、電話をしてみると、「今、団地のTさん宅」と居場所を教えてくれた。認知症の症状が気になる一人暮らしの高齢者宅を見守りで訪問している最中だった◆市内で最も大きな約1500戸の公営団地。ここを地盤に1983年から5期20年、市議を務めた。団地は建設から半世紀以上がたつ。その分だけ入居者も年齢を重ねている。この地区の高齢化率は47%超。市内でも飛び抜けた高さだ◆勇退から16年が経過する今もなお、議員OBは奥さんと共に団地に通う。老いや病と闘う住民の励ましへ。介護担当者との連携をはじめ、主を失った部屋の遺品の後片付けまで手掛けることもある◆議員OB夫妻は今、統一地方選に向け、後輩議員の勝利のために署名活動や後援会の会員づくりの先頭を走る。現役時代から一貫して二人三脚で戦う姿は地元の党員、支持者の“鑑”である。だが、本人たちは実にあっさりしたものだ。「議員を20年させていただいた恩返しであって、当たり前」と◆「大衆とともに」の立党精神を脈打たせ、議員OBが全国各地で活躍している。先輩たちが地域に根を張り、無私の戦いを通じ、公明党の持ち味である「ネットワーク」をより強固にしていることに感謝したい。(東)