公明党トップ / ニュース / p194454

ニュース

2021年10月13日

石井幹事長の衆院代表質問(要旨)

代表質問する石井幹事長=12日 衆院本会議場

■新型コロナ対策 感染急拡大へ体制整備を

「特技は人の話をしっかり聞くこと」との首相の姿勢は、“小さな声”を聴き、政策に反映してきた公明党の政治姿勢と一致する。岸田新政権の発足に先立ち、自民党と公明党は、10項目の課題に及ぶ新たな連立政権合意を結んだ。この合意を踏まえ、コロナ禍の克服と力強い日本の再生に向けて岸田政権は、どのように臨むか。

自宅療養者

第5波の教訓を踏まえ、第6波に備えた医療提供体制の再構築が喫緊の課題だ。感染の急拡大時に備え、病床を確保し、臨時の医療施設や入院待機施設などの整備も確実に進める必要がある。

第5波では、自宅療養者への対応が大きな課題となった。保健所も多忙を極め、全ての自宅療養者に適切なフォローアップを行うことが困難な状況だった。第6波に備え、保健所と地域の医療機関が連携し医師の往診や訪問看護、オンライン診療などを拡充し、自宅療養者の健康管理を強化しなければならない。

一方で、医療崩壊が懸念されるような非常事態を想定し、国や自治体が医療機関に対して病床確保、医療人材確保に関する協力を、より効果的に促せる仕組みについて、法改正を含め検討する必要がある。本年6月に政府が決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」には、この仕組みについて、「より実効性のある対策を講じるよう法的措置を速やかに検討する」と明記されたが、一般医療との両立や医療機関の理解がなければ、仕組みは機能しない。

ワクチン・治療薬

新型コロナ対策の切り札となるワクチンについて、公明党は、海外ワクチンの確保に道を開き、接種の無料化と健康被害が生じた場合の国の補償を強力に推進し、実現に結び付けてきたと自負している。政府は、希望する人へのワクチン接種を11月までに完了させることをめざすが、その目標を着実に完遂することが重要だ。

2回目接種から8カ月ほどでワクチンの効果が弱まると指摘されている。3回目の接種に向けた準備を進めなければならない。これまでの経験を十分に生かし、自治体と緊密に連携を取り、円滑な実施ができるよう万全を期してほしい。公明党は3回目接種の実施について、接種費用無料をかねて提案してきた。確実に実現してほしい。

経口薬の早期実用化も期待される。これまでの新型コロナ治療薬は、ほとんどが点滴による投与だったため、医療施設で治療を受ける必要があった。経口薬が実用化されれば、自宅療養者でも容易に服用ができる。重症化予防対策の決め手となり、病床逼迫の軽減にもつながる。

特に国産経口薬の開発・実用化を強力に支援することが重要だ。政府は第2/3相試験が成功した場合に国内用に一定量を確保できる基本契約を製薬会社と結ぶとともに、第2/3相試験の終了に先行して経口薬の原材料ならびに生産に関し支援をすべきだ。

雇用・生活

雇用の維持など、国民の生活を支える取り組みも重要だ。コロナ禍において、生活の基盤である雇用を守るため、わが国では、雇用調整助成金の特例措置などに、これまで4兆円超を支出してきた。その結果、完全失業率は主要先進国の中で最も低い2.8%(2021年8月時点)に抑えられている。

特例措置は11月末までだが、感染状況を踏まえて必要に応じ延長すべきだ。その際、雇用保険財政が枯渇しないように、必要な財源を一般会計から確保することが不可欠だ。

コロナ禍で生活が厳しい方には、緊急小口資金・総合支援資金などの特例貸し付けや、住居確保給付金の再支給などの支援を行ってきた。上限額まで借り切ったことなどで特例貸し付けを利用できない方のうち、生活保護も受給していない方には、月額最大10万円の自立支援金も創設している。こうした支援策も11月末までが申請期限だが、必要に応じ延長すべきだ。

首相は10月4日の就任記者会見で、「コロナ禍で大変苦しんでいる弱い立場の方々、女性、非正規、学生等への現金給付を考えたい」と表明した。公明党も生活困窮者に対する現金給付はこれまでも進めてきて、これからも必要と考える。今後、政府・与党で具体化に取り組んでいきたい。

■経済再生 飲食・観光業など事業者支援 強力に後押し

長期間続いた休業要請や人流抑制策などで、飲食業や観光業、旅客運送業をはじめ対人サービス業は、依然として厳しい状況が続いている。時短要請で影響を受ける事業者などへの支援金の迅速な支給を通じて事業継続を支え、経済の再生に向けて、こうした事業者らの再生を強力に後押しすべきだ。

ワクチン接種の進展と感染収束を前提に従来のGo Toキャンペーンの内容を見直した新「Go Toキャンペーン」の実施を本格的に検討してほしい。それまでの間の観光支援策として、同一県内の旅行を割引支援する地域観光事業支援の拡充をはじめ切れ目ない支援をお願いしたい。地域の特性を生かした新たな観光コンテンツの創出などの支援の充実も図るべきだ。

基本的な感染防止対策などの継続を前提に、ワクチン接種証明やPCR検査などの陰性証明を活用した「ワクチン・検査パッケージ」で行動規制を段階的に緩和することが検討されている。こうした動きを踏まえ、飲食店による第三者認証の取得が急増しているが、認証基準や支援策などは地域によって異なる。技術実証を踏まえ、各都道府県の認証基準や取り組み状況などの標準化を図るとともに、感染防止対策に必要な換気設備の導入などに取り組む事業者への支援を都道府県と連携して強力に実施すべきだ。

PCR検査能力を現状の約33万件から100万件に引き上げ、質の高いPCR検査や抗原定量検査が必要に応じて迅速に安価で受けられる体制の整備など検査体制を大幅に拡充すべきだ。特に、ワクチンを打ちたくても打てない方や12歳未満の方には、検査費用を無料にするよう求める。

デジタル化

先月発足したデジタル庁には、日本のデジタル化を前進させる重要な役割がある。中でもデジタルデバイド(情報格差)の解消、デジタル人材の育成、マイナンバーの普及が最重要の課題だ。

総務省の調査では、スマートフォンを使えない高齢者は約2000万人。そこで全小学校区での「デジタル活用支援員」によるスマホ教室の開催など、身近で支援を受けられる「誰一人取り残さない」体制づくりが必要だ。

支援員などの「デジタル人材」は、非肉体労働で、自由な時間帯に働くことができる点など女性に適した面が多くある。長野県塩尻市では、国のテレワーク支援策を積極活用し、ひとり親家庭や子育て中の女性、障がい者ら約250人が、年間約2億円規模の仕事を行っている。このうち9割が女性だ。

デジタル人材の不足や厳しい環境に置かれている女性の経済状況を打破するため、公明党は「女性デジタル人材育成10万人プラン」を提案する。新しい働き方の定着や、地方からデジタル化を進める第一歩になると考える。政府は支援策の拡充と、自治体への周知・活用を徹底し、女性デジタル人材の育成に集中的に取り組むべきだ。

公明党は、マイナンバーカード普及の強力な後押しと、消費喚起を促すため、1人当たり3万円のポイントを付与する「新たなマイナポイント事業」の創設を提案する。

グリーン化

本格的な経済再生に向けては、グリーン化への技術革新や投資促進などを通じて産業構造や社会経済の変革を促し、潜在成長率や雇用・所得を伸ばす経済と環境の好循環を構築することが重要だ。

わが国としても、基幹産業全体が新たな成長と脱炭素化を両立できるよう、グリーンイノベーション基金などを活用して技術革新を強力に進めるべきだ。こうした産業などで活用が進む水素の研究開発から社会実装、関連インフラの整備や、電動車製造への業態転換、石炭火力自家発電設備のガス転換などグリーン化への投資を加速すべきだ。

農林水産業

食料自給率の向上は、わが国の食料安全保障の点から極めて重要だが、農村部の人口減少・高齢化に伴う担い手不足や耕作放棄地の増加、食生活の変化などの現状が、食料安全保障を脅かしている。激甚化する自然災害やコロナ禍による影響も甚大だ。新規就農者などを支援する担い手対策やスマート農業の積極的な普及拡大とともに、おいしい米や日本酒などの輸出を通じた販路の拡大なども非常に重要だ。

米の消費量が年々減っていることに着目し、野菜や小麦、大豆などの国内生産への転換の工夫とともに、長期的販売を見据えた米の備蓄環境の整備には支援の拡充が必要だ。

■地球温暖化 再エネ加速へ政策総動員

菅前政権は、50年カーボンニュートラル、30年温室効果ガス排出46%削減といった野心的な目標を掲げた。岸田政権でもこの目標の下、具体的な対策を加速させることが重要だ。

消費ベースでみると、わが国の温室効果ガス排出の約6割は家庭部門が占め、国民が省エネルギーなどに参加できる仕組みも欠かせない。消費者の環境配慮行動へポイントを発行する「グリーンライフ・ポイント」などの創設を通じ、ライフスタイルの転換を促す対策を強力に推進することが必要だ。

国際社会の協調した取り組みも重要だ。今月末から始まるCOP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)では、日本が先頭に立ち、パリ協定実施ルール交渉の完結や途上国への資金提供などの課題に解決策を見いだしてほしい。

新たなエネルギー基本計画(案)では、再エネを最優先する原則の下で最大限導入することや、30年度に再エネ比率の最大38%をめざす野心的な目標などが示された。目標達成に向け、再エネが導入しやすい環境整備や、短期間で投資が可能な太陽光発電について、立地場所の安全性を確保した上での、さらなる導入促進が急務だ。

そのため、再エネが優先される系統接続や土地利用に向けたルールの見直しなどを進めるとともに、家庭や中小企業などで太陽光発電が導入できる補助制度を創設するなど、政策総動員で再エネ比率向上を加速すべきだ。併せて潮流発電など新たな発電技術も含めた研究開発などの成果を社会実装しつつ、38%以上の高みをめざしてほしい。

■子育て・教育 「未来応援給付」実施せよ

新型コロナによる影響が長期化し、子どもたちや子育て家庭に、そのしわ寄せが色濃く及んでいる。臨時休校や学校行事の中止・延期・縮小などで子どもたちに精神的な負担が増しているとの調査がある。保護者も精神的な負担のほか、在宅が増えたことで家事・育児負担や食費・光熱費などの出費が増加し、家計が苦しいとの指摘もある。

公明党は、子どもたちをコロナ禍から守り抜くための特例的な支援策として、0歳から高校3年生の年代まで、子ども1人当たり10万円相当の「未来応援給付」を実施すべきと考える。

少子化の加速や児童虐待、いじめなど、子どもと家庭を巡るさまざまな課題が多様化・深刻化している。公明党は「子育て応援トータルプラン」を策定し、ライフステージや子どもの成長段階に応じて、支援策を切れ目なく充実することが重要であると訴えている。

3~5歳児の幼児教育・保育は所得制限を付けず全ての世帯を対象に無償化したが、0~2歳児の保育の無償化は住民税非課税世帯にとどまっている。そもそも、0~2歳児の保育利用率は約4割で、残り6割の家庭は保育所を利用していない。

産後ケア事業の全国展開や、家事・育児支援を利用しやすい環境を整備するなど、0~2歳児のいる家庭を広く支援すべきだ。

出産育児一時金を現行の42万円から50万円へ増額すべきだ。0~2歳児の保育料や私立高校授業料、大学など高等教育の無償化も段階的に所得制限を緩和し、対象者の拡大をめざしていくべきだ。

本年の「骨太の方針」では、子ども政策に関し、行政組織を創設するため、早急に検討に着手することが明記されている。公明党は、年齢による政策の切れ目や省庁間の縦割りを排し、子どもと家庭を総合的に支える「子ども家庭庁」の設置や、子どもの権利を保障する「子ども基本法」の制定、子ども政策について独立した立場で調査・意見・監視・勧告を行う「子どもコミッショナー」の設置を提案している。子ども政策については、「骨太の方針」や公明党の提案を踏まえ、検討を進めてほしい。

■防災・減災 危険な盛り土 撤去急げ

本年8月の大雨における広島の被災地では、整備された砂防ダムが、多くの土石流を食い止め、住民の命を守ることにつながるなど、対策の効果が各地で確認されている。こうした対策の好事例を周知することは、国民の防災意識を向上させ、さらなる防災対策の加速化につながる。

一方、気候変動などの影響による災害の甚大化に加え、コロナ禍との複合災害への対応など地方行政の負担は増大している。国民の命と暮らしを守るため、これまで以上にわが国の防災・減災対策を効果的かつ強力に進めるべきと考える。

7月の大雨で発生した静岡県熱海市の土石流災害では、不適切に処理された盛り土が被害を拡大させたとみられている。近年、水害が多発する中、潜在的に危険な盛り土が存在する箇所で、同様のリスクが広がっており、早急な対策が求められる。

公明党は発災後、被災地の声を伺い、提言を取りまとめ、盛り土の全国総点検の実施や盛り土に関する規制の見直しなど、原因究明と再発防止を全力で進めるよう、政府に強く要請した。政府は「盛土による災害防止に向けた取組方針」を示し、点検状況などを踏まえた対応策を検討するとしている。各地における盛り土の実態を早期に明らかにし、危険性の高い盛り土は速やかに撤去するなど、適切な安全対策を講ずるべきだ。

今後、二度と危険な盛り土が造成されることがないよう、関係省庁が連携し、土地利用の規制強化など総合的かつ厳格的な法整備を進めてほしい。

住宅手当を創設すべき

新型コロナの感染拡大は、社会的孤立の深刻化や若者・女性の自殺の増加など、国民生活に大きな影響を及ぼしている。孤独・孤立は、社会の問題として国を挙げて取り組み、当事者の目線に立って、息の長い支援を実施する必要がある。

コロナ禍では「生理の貧困」が大きな問題となり、学校・公共施設での生理用品の無償提供が始まった。女性特有の悩みやリスクに対応するオンライン相談、女性の健康管理をテクノロジーで解決するフェムテックの推進、生理休暇制度の取得促進なども進めるべきだ。

コロナ禍では、居住支援に対するニーズも浮き彫りとなった。住まいのセーフティーネット(安全網)を、孤独・孤立対策の一環として抜本的に強化し再構築することが必要だ。居住支援法人などへの支援の充実とともに、住宅確保に困難を抱えている住宅弱者の方々に対する新たな公的家賃補助として「住宅手当制度」を創設すべきだ。

テレワーク 地方に重要

テレワークの普及に伴って、郊外転出者が増加するなど、地方への人の流れが徐々に生み出されつつある。

この流れをさらに太く、力強くするためには、“転職なき移住”ができる環境、地方へのテレワーク導入に向けた環境整備を一層進めることが重要だ。

将来を担う若者の移住促進も欠かせない。今、多くの学生が奨学金返済への不安を訴えている。コロナ禍で経済的な影響を受け、延滞せざるを得ない人が少なくない。

返済を肩代わりする自治体や企業への奨学金返還支援制度を一層充実することで若者に安心感を与えることができれば、移住も促進することができる。

日中、不断の対話で相互理解を深めて

所信表明演説で首相は、「世界の平和と繁栄の礎である日米同盟をさらなる高みへ引き上げていく」と訴えた。まずは、バイデン大統領との首脳会談の早期実施などを通じて、米国との信頼関係の維持・強化を図ってほしい。「自由で開かれたインド太平洋」の実現への努力を期待したい。

中国については、最大の貿易相手国であり、さまざまな交流の歴史もある。他方で中国の力による一方的な現状変更の試みや人権状況などについて、国際社会から懸念が示されている。中国は透明性をもって説明し、国際社会に対する責任を果たすべきだ。

さまざまな課題や協力すべき分野などについて、お互いに率直に指摘できる関係が重要であり、不断の対話が大切だ。来年には、日中国交正常化50周年の節目を迎える。対話により相互理解を深める努力を続けてほしい。

最近、弾道ミサイルなどの発射を繰り返し、挑発的行為を強める北朝鮮に対しては、米韓はじめ近隣諸国としっかり連携し、具体的かつ迅速な解決のための外交努力を強く求める。一刻の猶予もない拉致問題解決と非核化に向けても全力で取り組んでほしい。

岸田首相らの答弁(要旨)

【岸田文雄首相】

<新型コロナ対策>

希望する全ての人への2回のワクチン接種を着実に進め、3回目のワクチン接種も全額公費負担で行い、円滑な実施に万全を期す。国産の経口治療薬の研究開発などを積極的に支援し、国民の安全・安心を確保できるよう、経口薬の確保に最大限取り組む。

<雇用・生活支援>

国民の切実な声を踏まえ、新型コロナで大きな影響を受ける人を支援するため、速やかに総合的かつ大胆な経済対策を策定する。

<マイナポイント事業>

提案を含め、今後、与党の議論も踏まえながら政府内においても検討を進める。

<子育て・教育支援>

新型コロナの影響で苦しむ子育て世帯を守るため、給付金などの支援を実行する。対応策は経済対策の検討を進める中で、与党における協議も踏まえながらまとめる。

子ども政策について、子どもの目線に立って、縦割りを排した行政のあり方を検討する。年末までに基本方針を決定し、可能であれば来年の通常国会に法案を提出するスケジュールを念頭に、検討を進める。

【斉藤鉄夫国土交通相(公明党)】

<盛り土問題>

現在、関係省庁が一体となって盛り土の総点検を行い、有識者会議、関係府省連絡会議で省庁横断的な対応策の検討を進めている。国交省では、議論を踏まえ、盛り土による災害の防止対策に率先して取り組んでいく。

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア