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2021年10月12日

【主張】水道施設の維持管理 徹底した点検実施へ人材確保を

水道施設の維持管理が、あらためて求められている。

和歌山市の紀の川に架かる六十谷水管橋が3日に崩落し、市内の4割に当たる、およそ6万世帯の約13万8000人が断水に見舞われた。9日には、同水管橋に平行して架かる橋に仮の水道管を設置し、給水が再開された。

この事態を受け、厚生労働省は8日、全国にある同様の水管橋を緊急に点検するよう都道府県などに通知した。

六十谷水管橋は、上部が半円形の構造物部分にある「つり材」と呼ばれる鉄製の棒に水道管をつなぎ、つり下げている。小型無人機(ドローン)を使った和歌山市の現地調査によると、つり材に「異常な腐食による破断」が確認できたという。

問題は、なぜ破断を見逃したのかという点だ。同市は年に1回、水管橋上の管理通路を歩いて目視で定期点検を実施している。今年5月に定期点検を行ったものの、破断箇所は管理通路から高さ約3.5メートルの位置にあり、気付かなかったというから点検の甘さを反省すべきだ。

全国の水道管路は全長約66万キロメートルで、そのうち法定耐用年数(40年)を超えた管路は17.6%と、水道施設の老朽化も進んでいる。水道管の漏水・破損事故は年間2万件以上に上る。水管橋の法廷耐用年数は48年で、六十谷水管橋は設置から46年が過ぎた。

設備を更新する予算がない自治体が多く、古い水道施設を使い続けなければならない実情もある。だからこそ、きちんとした点検を行い、維持管理を徹底する必要がある。

厚労省の調査によると、全国における水道施設の定期点検の実施率は、管路部分が約26%、構造物部分になると約9%だ。背景に、国土交通省が6月にまとめた「インフラ長寿命化計画」で指摘されている通り、インフラの維持管理を担う技術系職員が5人以下の自治体は約半数、0人の自治体も2割を超えるという深刻な人材不足がある。

X線や超音波などのセンサーを搭載したドローンを使って、高所にある水道施設の構造物内部を触らずに検査し、隠れた欠陥を発見できる非破壊検査が可能な「インフラ調査士」の資格所有者も活用し、人材を確保したい。

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