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【主張】常態化する災害 国挙げて防災専門要員育成を
「またか」。多くの人がそう思ったことだろう。新年早々、熊本県を襲った最大震度6弱の大規模地震である。
前回2016年4月の「熊本地震」から3年足らず。近年、頻発する台風禍や豪雨、猛暑などの異常気象も含め、今や「天災は忘れた頃にやって来る」のでなく、「いつでもやって来る」ことを自覚しないわけにはいかない。
“平時の備え”がいや増し重要になってきていることを改めて確認しておきたい。
自然災害が常態化する中、国・自治体レベルから企業や地域社会、家庭・個人のレベルに至るまで、防災への取り組みは着実に進んではいる。
国土強靱化法の下、インフラは格段に強化・整備されたし、企業も災害発生時の行動計画「事業継続計画(BCP)」の策定に余念がない。
ただ、災害に際して、最後にモノを言うのは「人」であることを忘れてはなるまい。
危機管理や防災・減災に関わる専門の知識と能力、スキルを備えた人材が、自治体にも企業や学校、住民組織にも配置されていなければ、どれだけインフラやBCPが整っていても「画餅」に終わりかねないからだ。広域化する近年の災害の特徴を思うと、なおさらである。
事実、東北から関東地方まで広範囲にわたって被害が出た東日本大震災では、どの被災自治体も懸命に対応しながら、初期の危機管理対応や、その後の復旧・復興に濃淡が生じた。各市町村における防災担当スタッフの“力量差”がそのまま反映したとされる。
この反省から福島県が県内の市町村長らを対象に「防災塾」をスタートさせるなど、専門要員の育成に乗り出している自治体や民間機関は少なくない。
だが残念ながら、こうした取り組みの多くは“座学”が中心で、実践的な訓練を伴っていない。崩壊した建物やがれきの山などを再現し、臨場感ある環境下で即戦力の一級専門要員を養成している米国などと違い、国内に本格的な訓練施設を持たないためだ。
災害が多発する中、オール・ジャパンで組織的・体系的に防災専門要員を育成する体制づくりが喫緊の課題として浮上していることを強調しておきたい。









