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2021年9月22日

【主張】ネット上の誹謗中傷 被害防止へ厳罰化の論議始まる

インターネット上の誹謗中傷は犯罪であり、重大な人権侵害である。

上川陽子法相は16日、ネット上の誹謗中傷行為に歯止めをかけるため、刑法の侮辱罪を厳罰化する法改正について法制審議会(法相の諮問機関)に諮問した。

侮辱罪は悪口などで公然と人を侮辱した行為に適用され、現在の法定刑は刑法で最も軽い「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」だが、新たに「1年以下の懲役もしくは禁錮、または30万円以下の罰金」を追加する。

公明党が今年6月、菅義偉首相に申し入れた青年政策の提言で、罰則の引き上げを含む対策強化を求めていた内容が反映されたものであり、法制審での論議を注目したい。

法務省の人権擁護機関がネット上の人権侵犯事件として対応した件数は、この10年で3倍超となり事態は深刻だ。

昨年には、テレビ番組に出演していた女性がSNS(会員制交流サイト)上で激しい中傷にさらされ自殺している。この問題では、投稿者2人が侮辱罪で科料9000円の略式命令にとどまり、刑罰が軽すぎるとの声も上がった。

法改正で罰則が強化されれば、悪質な書き込みの抑制が期待できる。ネット上に限らず、心ない言葉で他者を傷付ける行為は犯罪になり得るとの認識を広げていくことにもつながろう。

諮問通りに法定刑が引き上げられると、刑事責任が問えなくなる公訴時効も1年から3年に延びる。SNSでの中傷は匿名投稿のため発信者の特定に時間がかかり、時効で被害者が泣き寝入りするケースは多い。被害者救済の面でも法改正の意義は大きい。

ただ、誹謗中傷と正当な批判を区別する難しさもある。法制審では「表現の自由」への配慮も含め、丁寧な議論を望みたい。

また、厳罰化だけでなく、投稿の監視・削除などSNS事業者も自主的な取り組みの検討を進めるべきだ。

先の通常国会では、投稿者を特定するための裁判手続きの簡素化を盛り込んだ「改正プロバイダー責任制限法」が公明党の推進で成立し、来年秋にも施行される。悪質な投稿の減少につなげたい。

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