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2021年9月22日

コラム「北斗七星」

室生犀星の小説『あにいもうと』の冒頭に「蛇籠」づくりの光景が描かれている。蛇籠は、竹や鉄線を編んだ円筒形のかごに石を詰めたもので、古来、河川の護岸補強や水流の制御などに用いられてきた◆主人公の兄妹の父が作る蛇籠は〈雪解時の脚の迅い出水や、つゆ時の腰の強い増水が毎日続いて川底をさらっても、大抵、流失されることがなかった〉という。人々が、いかに水害と闘い、多くの労力を費やしてきたのかがうかがえる一場面だった◆今年5月に公布された流域治水関連法は、わが国の治水対策を大きく変えるものである。それは、氾濫を起こすのは川ではなく、川に雨水を集める地形・生態系つまり流域であって、流域全体を考えなければ堤防の強化や河道の掘削などの河川対策だけでは頻発、激甚化する水害を防げないとの認識に基づいている◆これまでの溢れさせない治水から、増水時には溢れることも想定した上で戦略的、安全に水を逃がしていくという発想に転換したと言える。具体策は、森林・治山対策や農地の活用、遊水地の整備、低リスク地への移転促進、危険地域での建築規制など多岐にわたる◆集水域から氾濫域まで、あらゆる関係者が協働して取り組む流域治水。防災・減災が主流となる社会をめざして公明党が推進役を果たしたい。(中)

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