公明党トップ / ニュース / p187927

ニュース

2021年9月11日

コラム「北斗七星」

姉を亡くした妹の前に妖精が現れた。妖精は、3枚の花びらが付いた白い花を手渡して<花弁一つにつき願いは一つ>かなうと告げる。妹は<大好きなお姉ちゃんが帰って来れますように>と願い、真っ白な花弁を1枚取った◆宮城県石巻市の中学2年生、佐藤珠莉さんがつづった小説『真っ白な花のように』のワンシーンである。姉の愛梨ちゃんは、幼稚園の送迎バスに乗せられていた時、東日本大震災の津波と火災に巻き込まれ命を落とした。愛梨ちゃんの亡きがらが見つかった場所に咲いたフランスギクにちなんでタイトルを付けたという◆震災当時、姉は6歳で妹は3歳。小説では中学生になった妹が、6歳のままの姉と再会する。<私が妹として、お姉ちゃんが姉として接することは、もうないのかも>と戸惑いながらも心を交わした◆妹は最後1枚の花弁をちぎり、願いを込める。<あの輝く白い花のように美しい笑顔がもう一度見れますように>と。珠莉さんは母・美香さんと一緒に3.11の記憶を伝え、命について考えてもらうために「あいりちゃんのフランスギク」の種を全国へと広げる活動を続けている◆「災害で悲しむ人を一人でも少なくしたい」。珠莉さんは、流れた時間と止まった時間の狭間で葛藤しながら願っている。きょうはあの日から10年半。(川)

公明新聞のお申し込み

公明新聞は、激しく移り変わる社会・政治の動きを的確にとらえ、読者の目線でわかりやすく伝えてまいります。

定期購読はこちらから

ソーシャルメディア