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モデルナ製の異物混入
ステンレスやゴム片
安全性に「影響ない」 厚労省見解
異変あれば医療機関に相談
米モデルナ社製の新型コロナウイルスワクチンに異物が混入していた問題を巡り、国内で同社製の流通を担う武田薬品工業が使用見合わせ中のワクチンを自主回収することになりました。回収対象のワクチンを打ってしまった場合、人体に問題ないのでしょうか。
モデルナ社による調査の結果、異物は製造機器の破片でステンレスだと判明。このステンレスは、心臓のペースメーカーや人工関節などにも使用されており、厚生労働省は「健康に影響する可能性は低い」「アレルギーの誘因となる可能性は低い」として、ワクチンの安全性や有効性に影響はないとしています。
その上で、異物が原因で健康被害が生じたと厚労相が認めた場合は、救済制度が適用されます。
異物は8月26日までに、東京都と埼玉、茨城、愛知、岐阜各県にある計8カ所の接種会場で見つかり、いずれも製造番号が「3004667」の製品でした。同じ時期に同じ設備で製造された「3004734」「3004956」も合わせて計約163万回分が回収対象となりますが、政府はこのうち50万回分強が接種済みだと明らかにしています。
これまでに明らかな健康被害は確認されていませんが、製造番号「3004734」を接種された男性3人が死亡したことが分かっています。厚労省は、現時点では接種との因果関係は「不明」としており、引き続き情報収集を続けて、審議会で評価・検討を行うとしています。
一方、三つの製造番号以外で、ゴムの混入が認められるケースが報告されています。厚労省は、製造や、ワクチンを注射器に詰める過程で瓶のゴム栓の破片が混入する可能性があるとしていますが、ワクチンの安全性や有効性に「特に影響はない」としています。
またゴム栓は、アレルギー反応を引き起こす天然ゴムでは作られていません。
なお、接種後、体調に異変がある場合は医療機関に相談してください。
回収対象の製造番号
▶3004667 (約57万回分)
▶3004734 (約52万回分)
▶3004956 (約54万回分)