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2021年9月4日

コラム「北斗七星」

 夏目漱石の『二百十日』は、阿蘇山で嵐に遭遇した実体験を基にしているらしいが、立春から二百十日目を過ぎて、台風シーズンとされてきた9月には事実、巨大台風が日本を襲っている。NHK「英雄たちの選択」で、その教訓を特集していた◆江戸時代の佐賀藩を襲ったシーボルト台風(1828年)は、ドイツ人医師・シーボルトによる気象観測データと災害記録がそろった最初の台風。科学的知見を基にした防災のきっかけになった◆校舎が次々倒壊し、大勢の児童や教員が犠牲になった室戸台風(1934年)は、避難指示のタイミングが生死の明暗を分けた。空前の高潮被害に見舞われた伊勢湾台風(1959年)では、浸水被害の予測地図が避難に生かされなかったという◆「文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその鮮烈の度を増す」。漱石の教え子だった寺田寅彦は、都市化による被害の甚大化に警鐘を鳴らしたが、地下空間の浸水や温暖化による気候変動などを加味すれば、今の自然災害の激甚化は寅彦の想像を絶するのではないか◆番組では「住民はもっと賢く」(河田惠昭氏)、個人の災害経験を集めて共有する「“知恵の備蓄”が大事」(饒村曜氏)と。今や災害級といわれる新型コロナへの対応も含めて、一人一人の賢明な行動が求められる。(祐)

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