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元気に育て! 宇宙オリーブ
東日本大震災10年の「ミッション」
打ち上げた種の帰還式
福島・楢葉町
福島県楢葉町でこのほど、国際宇宙ステーション(ISS)に打ち上げたギリシャ産オリーブの種の帰還式が行われた。ISSへオリーブの種を送り込んだのは、東日本大震災10年に合わせ、復興支援への感謝を世界に伝える「東北復興宇宙ミッション2021」(事務局=一般財団法人ワンアース、長谷川洋一代表理事)の事業の一環。帰還した種は、震災の記憶と教訓を後世に伝えるため、町内の小中学校などで栽培される。=東日本大震災取材班
復興支援国のギリシャ産 感謝込め、小中学校で栽培へ
帰還式には、楢葉町立楢葉南、楢葉北両小学校の1~4年生の児童代表15人が参加。その一人、楢葉北小4年の松本悠大君は、育苗用のポットに種を植えながら「宇宙オリーブは復興のシンボル。元気よく育って!」と語り、笑顔を輝かせていた。
子どもたちとポットに種を植える甚野氏(奥右)と、長谷川代表理事(左隣)
子どもたちと共に、松本幸英町長と横山信一復興副大臣(公明党)、党福島県本部の甚野源次郎議長、ワンアースの長谷川代表理事が出席。町の「復興ありがとうホストタウン」であるギリシャのコンスタンティン・カキュシス駐日大使夫妻が招待された。
あいさつに立った横山副大臣は「子どもたちが宇宙オリーブを通し、震災の伝承活動ができるよう復興庁として支えていきたい」と述べた。
約40個のオリーブの種は、福島県のサッカー施設「Jヴィレッジ」や町の小中学校などに配布され、児童・生徒らが栽培する。
東京電力福島第1原発事故後、楢葉町では、約4年半にわたり全町民が避難生活を余儀なくされた。2015年に避難指示が解除され、住民の帰還が進んでいる。その間、ギリシャは同町に対し、義援金を届けるなど、復興の後押しをしてきた。
昨年11月、原発事故から10年を前に、松本町長は横山副大臣らと共に、東京都内のギリシャ大使館を訪れ、謝意を表明。その時にカキュシス大使から、オリーブの種を譲り受けた。
ギリシャ産オリーブの種は今年6月、ワンアースの「東北復興宇宙ミッション2021」により、民間ロケットで宇宙へ送り込まれた。その後、ISSに約1カ月間滞在し、地球へ帰還した。
このワンアースの「ミッション」は、被災自治体ごとに地元でなじみ深い物をISSへ送り込む事業で、東日本大震災で被災した3県の42市町村が参加。復興庁と文部科学省が後援、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が協力した。
公明の橋渡しに感謝
松本幸英・楢葉町長
私は、「ミッション」の提案を聞いた際、復興支援の感謝をギリシャ共和国に伝えようと、同国にゆかりの深いオリーブの種を宇宙へ打ち上げることを決めました。
この話を横山副大臣と甚野議長との懇談の場で伝えました。すると、すぐにギリシャ大使館に話を持ち掛けてくれ、昨秋、カキュシス大使から種を頂戴することができたのです。
公明党による橋渡しのおかげで、わが町の「ミッション」はまず一つ、成功です。本当に感謝しています。
オリーブの花言葉には「勝利」や「平和」といった意味があります。子どもたちが育てた一部の苗は、町が震災を乗り越えた証しとして、ギリシャ本国へ送る予定です。
宇宙オリーブが、日本とギリシャの友好の象徴になることを願っています。










