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2021年8月28日

コラム「北斗七星」

<力があふれ、吹きおこるのを覚えた><人間にたいする感動と信頼感、したしみさえひしひしと感じとる思い>。芸術家の故・岡本太郎が70年前、初めて縄文土器に触れた時の心境を『日本の伝統』(光文社)に書いている◆北海道・北東北の縄文遺跡群が先月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界文化遺産に登録された。文字を持たない先史時代の遺産登録は、国内初である◆登録の評価基準は「農耕を伴わない定住社会及び複雑な精神文化」を示していること。ゴーグルをかけたような「遮光器土偶」が出土した亀ケ岡石器時代遺跡(青森県)や、祈る姿の「合掌土偶」が見つかった是川石器時代遺跡(同)など4道県17遺跡は、いずれも縄文人の美意識と造形力、豊かな精神性を今に伝える◆遺跡群では、手形・足形付土製品が広く見られる。板状の粘土に幼子の手や足の形が付けられたものだ。成長を祝うものとも、亡くなった子の形見とも言われているが、子を思う親の愛情があふれる◆戦傷のある人骨が出土しない半面、介護を受けたらしい人骨が確認されている縄文遺跡。自然と共生した狩猟採集生活が長く続いた。持続可能な社会のあり方が求められる現代、「遺跡は未来を見通す望遠鏡」(岡田康博・青森県世界文化遺産登録専門監)となるだろう。(川)

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