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2021年8月26日

木材価格が急騰 ウッドショック

背景に米中の需要高まり 
中小工務店 戸惑い広がる

今春以降、輸入木材の価格高騰が続いている。代替需要の高まりから、国産木材の価格も上昇。関係業界では1970年代のオイルショックになぞらえて「ウッドショック」とも呼び、住宅や家具産業などに影響を与えている。価格高騰の背景を探るとともに、現場の窮状を追った。

ウッドショックの背景には、米国における木材需要の高まりがある。超低金利政策と新型コロナウイルスの拡大が重なり、郊外に住宅を購入する人が増加。これに反応して欧州やカナダなどが米国向けの木材供給を増やした結果、日本向けの供給量は減り、日本国内で価格が高騰した。

海外からの木材輸送に使われるコンテナが世界的に不足していることも輸入木材の価格を押し上げている。コロナ禍からの経済回復が進む中国でも木材需要が伸びるなど、その要因は複雑に絡まる。林野庁木材産業課の高木望課長補佐は、「中小の工務店からは、高くて木材が買えないとの不安の声が上がっている」と話す。

同庁のまとめでは、住宅用部材に幅広く使われる「ホワイトウッド」と呼ばれる10.5センチ角の欧州産木材の1立方メートル当たりの価格は、今年1月の5万1000円から8月には10万円とほぼ倍増している。

これと同時に代替品として国産材の需要が高まった。柱などに使われる10.5センチ角のスギ乾燥材(KD)の価格は、1月の5万4000円から8月は13万円と跳ね上がっており、「当面の価格動向は不透明だ」(高木課長補佐)。

需要が高まる国産材の安定供給体制を構築するため、林野庁は4月、木材関係業界で構成する協議会を開催。木材の輸入状況や今後の需給動向などについて情報を共有するとともに、過剰在庫の抑制へ協力を呼び掛けた。

「全国の会員工務店から、ウッドショックに対する戸惑いの声が届いている」。こう語るのは全国工務店協会の木村司・国産材委員だ。木材価格の高騰分を、住宅の販売価格へ転嫁せざるを得ない事態に懸念を示し、「首都圏では資材が入らず、基礎だけ打って工事が止まった例もある。影響はかなり大きい」と話す。

「見積もり出せない」

工務店の倉庫で作業する有賀さん(左)ら=19日 東京・北区

東京都北区で50年以上、営業を続ける株式会社小川工務店では、新築住宅を建てる際、一部は国産材を使用しているが、主な資材はホワイトウッドだ。

「木材価格が毎月のように上がっており、3カ月後に工事を始めるにしてもその時の価格が読めない。お客さんに見積もりも出せない」。同社で企画設計部長を務める有賀照勉さんは、表情を曇らせる。代表取締役の小川登氏は、「本当は全てを国産材で賄いたいが、価格の問題で輸入材を使わざるを得ない。国産材の利用促進へ国はしっかり対策を打ってもらいたい」と注文を付けた。

ウッドショックは長期化も見込まれる。中小工務店は木材調達のあり方の見直しに迫られている。

木村委員は、将来的にはホワイトウッドなど輸入材に頼らない住まい造りを提案する。従来から地域の製材所で木材を調達してきた工務店は、今回のウッドショックでも大きな影響を受けていないとして、「山や製材所へ足を運び、関係性を深めることで“おなじみさん”となり、長期間の定常的な取引ができる関係を築いていくべきだ」と語っている。

公明党農林水産部会長 いなつ久 衆院議員

国産材の安定供給に尽力

公明党の国会議員、地方議員のもとには各地の工務店や林業関係者から、木材の価格高騰や資材不足による納期の遅れなど、深刻な声が多数寄せられている。

私は5月12日の衆院農林水産委員会でウッドショックの問題を他党に先駆けて取り上げた。7月29日には政府に対し、この問題で特に深刻な影響を受けている中小工務店への資金繰り支援制度に関する情報提供や、国産材の安定供給に向けて、従来よりも成長が早く、25年程度で伐採できる「エリートツリー」への置き換えなどを求めた。

先の通常国会で、国産材の活用を後押しする改正公共建築物等木材利用促進法(議員立法)が成立した。木材利用を促す対象が、従来の公共施設だけではなく、民間建築物にも拡大することなどが柱だ。こうした状況下だからこそ、今後の計画的で安定的な植林が重要だ。引き続き関係者の不安解消に努めたい。

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