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【主張】SNS自殺相談 具体的支援につなぐ仕組みを
自殺防止策の一環として厚生労働省は、LINEやツイッターなどのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)を利用した相談事業を、今年度から本格的に始めている。
同省の発表によると、4月から9月までの半年間に延べ9548件の相談があり、その9割が29歳以下の若者だった。相談内容を項目別に見ると、自殺願望だけで3221件に上り、全体の3分の1を占めた。
若者の主要なコミュニケーション手段となっているSNSが、自殺に関する相談についても有効であることが明らかになったといえよう。
日本では、自殺者の総数こそ減少を続けているものの、若者の自殺がなかなか減らない。自殺者の多くを占める中高年男性向けの対策が先行し、若者を対象にした防止策が遅れ気味だったことが一因とされている。
こうした中、昨年10月に神奈川県座間市のアパートで男女9人の遺体が見つかるという事件が起きた。殺人などの罪で起訴された男は、自殺願望を持つ若者とツイッターで接触していたという。
悩める若者がSNSを通じて犯罪に巻き込まれるのを防ぎ、必要な支援を受けられるようにすることは喫緊の課題である。
このため厚労省は、SNSを活用して自殺防止に取り組むNPOなどの民間団体を補助金で支援する事業を実施、文部科学省も自治体を対象とした支援事業に乗り出している。官民挙げて相談体制を拡充していきたい。
SNSによる相談事業には課題もある。
面談や電話による相談であれば、表情の変化や声のトーン、会話の「間」を通じて、相談員は相手の心理状態を把握することができる。これに対しSNSは、短文でのやりとりが大半のため、微妙なニュアンスがつかみづらく、対応が難しいことがあるという。
SNSを入り口として、具体的な支援にどうつなげていくか。面談や電話での相談を受け付ける窓口の拡充や、専門のカウンセラーの育成を進める必要があろう。
未来を担い立つ若者が、希望を持って人生を歩めるよう知恵を絞りたい。









