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2021年8月13日

文化財の修理

「匠」育成へ5カ年計画 
原材料確保、防火・耐震も 
来年度から政府

政府は、文化財の修理体制の強化に向けて、人材育成や原材料確保などを進める5カ年計画「文化財の匠プロジェクト」を来年度からスタートさせる。公明党の浮島智子文部科学部会長が今年4月の衆院文科委員会で計画の必要性を訴え、萩生田光一文科相が策定を表明していた。6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針」(骨太の方針)にも、同プロジェクトが明記された。

絵画や彫刻、古文書など日本の美術工芸品の多くは、木や紙、絹などの脆弱な材質のものが使われており、虫やカビの発生で傷みやすい。これらの美術工芸品を後世に残していくには、10~20年ごとの応急修理、50~100年ごとの本格修理が求められるが、必要な修理ができていない文化財が数多く存在する。

その背景には、予算確保が困難になっていることに加え、修理に不可欠な原材料や高い技術を持つ職人の確保が難しくなっていることがある。

そこで、同プロジェクトでは、文化財の修理に関する予算を計画的に確保するとともに、高齢化が進む職人の後継者確保や原材料の安定供給を支援していく。

具体的には、表具用手漉和紙製作など各分野で高い技術を持つと認定される「選定保存技術者」の人数を現在の54人から5年で80人に拡大する。平均年齢76歳、最高齢96歳という現状を踏まえ、枠を拡大することで若い世代を加え、後継者確保を図る。原材料については、政府が生産費用を補助する対象を、和紙に使う植物のコウゾなど現在の5品目から広げていく。このほか、文化財の防火・耐震対策も進めていく。

浮島部会長は「文化財を守り、後世に伝えることが困難になっているとの危機感から計画策定を提案した。より実効性のあるものになるよう引き続き取り組みたい」と述べている。

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