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2021年8月10日

2050年脱炭素へ目標見直し

政府が地球温暖化対策計画案

2050年までに二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガス排出量を実質ゼロ(カーボンニュートラル)にする「脱炭素社会」を実現するため、まずは30年度に温室効果ガス排出量を13年度比46%削減する目標達成をめざし、政府は4日、新たな地球温暖化対策計画案を環境省と経済産業省合同の有識者会議に示した。計画案の主な内容や論点を解説する。

 

■「30年までに26%」を「46%」削減に引上げ

地球温暖化対策計画は、政府が地球温暖化対策推進法に基づき策定する中長期の気候変動対策の基本的な方針だ。地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」が15年12月に合意されたことを受け、16年5月に初めて策定された。

初の策定では、温室効果ガスを「30年度に13年度比で26%削減する」との中期目標を前提に、自治体や企業、国民が取り組むべき対策や国の施策を掲げ、長期目標として50年までに80%の温室効果ガスの排出削減をめざすことが明記された。

その後、世界的に気候変動問題への取り組みが加速する中、昨年10月に菅義偉首相が50年までにカーボンニュートラルの実現をめざす方針を打ち出した。今年4月には、政府が50年までの中間目標として30年度の温室効果ガス排出量を「13年度比46%削減する」新たな方針を発表。目標を大きく引き上げた。また、条文に基本理念を新たに設けてカーボンニュートラル実現の方針を明記した改正地球温暖化対策推進法が5月に成立した。

今回の計画案は一連の取り組みを受けたもので、5年ぶりの改定となる。7月26日に素案が公表され、合同有識者会議の委員から出た意見を反映した上で今月4日、修正された計画案が公表された。今月下旬にも一般からの意見公募(パブリックコメント)を始め、今年10月末から行われる国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)までに閣議決定する方針だ。

 

■発電所などのCO2排出量を大幅に圧縮

計画案では、地球温暖化対策の基本的な考え方として、国民の意識変革と行動変容につなげる必要性を指摘し、「国民、国、自治体、事業者など全ての主体が参加・連携して取り組むことが必要だ」と訴えている。

13年度の温室効果ガス排出量は、CO2換算で14億800万トン。30年度の温室効果ガス排出量を「13年度比46%削減する」には、30年度までに約7億6000万トンまで減らす必要があり、計画案は分野別の削減目標を示している【グラフ参照】。

特に、排出量全体の8割以上を占めるエネルギー起源のCO2排出量について深掘りしており、13年度(12億3500万トン)より45%削減することを掲げた。

具体的には、工場などの産業部門は1億7300万トン(37%)、オフィスなど業務部門は約1億1800万トン(50%)削る。家庭部門は1億3800万トン(66%)の大幅な圧縮を見込む。

政府によると、家庭部門のCO2排出量は現時点で13年度比約23%の削減まで達成できている。CO2排出量の7割が電力由来であることから、計画案では省エネ家電への買い替えやLEDへの取り換え、断熱効果の高い建材による住宅改修、屋根に設置する太陽光発電、高効率給湯器の導入促進などを挙げている。今後、実効性を高める取り組みが求められよう。

発電所を含むエネルギー転換部門では、13年度比43%減の目標が掲げられたが、経産省が7月に公表したエネルギー基本計画の素案では、再生可能エネルギー(再エネ)を現在の2倍に増やすなどして発電由来のCO2を抑える方針を示している。再エネの大幅な導入や省エネの徹底が前提となり、実効性を確保する取り組みが急務だ。

このほか、分野横断的な取り組みとして、省エネ設備の導入や再エネ活用、適切な森林管理で生み出されたCO2削減量を、クレジットとして国が認証する「J—クレジット制度」の活性化や、日本の環境技術を生かして発展途上国の温室効果ガスを削減し、日本の削減分に繰り入れる「2国間クレジット制度」の推進、水素社会の実現なども盛り込んでいる。

 

地球温暖化対策計画案について政府から説明を受け、意見交換した党合同会議=7月28日 参院議員会館

公明党は、50年のカーボンニュートラルの実現を国政でいち早く訴え、政府への提言や国会質問で再エネの主力電源化や、30年度の温室効果ガス排出削減目標の野心的な見直しを求めるなど、地球温暖化対策に取り組んでいる。

公明党の地球温暖化対策推進本部(本部長=石井啓一幹事長)などの合同会議は7月28日、政府から今回の計画案について説明を受けた。

この中で政府側は、計画案に盛り込まれた30年度の温室効果ガス削減量の分野別目標について「実現可能性を踏まえて設定した」と説明した。公明党の提言を基に、省エネ家電への買い替えや食品ロス削減といった脱炭素型ライフスタイルへの転換や、地域の脱炭素化を推進する方針が盛り込まれたことを報告した。

党側は提言が反映された点を評価し、地方の取り組みの加速化へ「自治体に交付金を出すなど十分な支援が必要」と指摘し、自治体への迅速な情報発信を求めた。

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