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“平和の心”を次代へ
城山小(長崎市)・原爆殉難者慰霊会
全国に「嘉代子桜」苗木
公明後押し 自治体や学校に無償提供
嘉代子桜の苗木に平和への願いを込める本田会長(右から2人目)、海老沼さん(左隣)と秋野氏(右端)、山本市議=7月29日 長崎市
長崎市立城山小学校(旧・城山国民学校)の校庭に植えられている「嘉代子桜」。この桜に込められた平和や核廃絶への願いを次世代に継ごうと、同校の卒業生らでつくる原爆殉難者慰霊会(本田魂会長=77歳)が苗木を育て、全国各地に広める活動に取り組んでいる。
嘉代子桜は、1945年、同国民学校で学徒動員中に原爆の犠牲になった林嘉代子さん(当時15歳)をしのび、49年に母・津恵さんが植えたソメイヨシノ。当時50本を植樹し、うち6本が現在も春に花を咲かせる。
植樹から70年以上がたった昨年、同慰霊会が樹木医の海老沼正幸さん(72)と連携し、苗木約100本を育てた。これまでは当初、原爆の投下目標地点とされた北九州市や長崎県内の学校などに無償で提供。今秋以降は北海道や関東、中部、関西、四国などに贈る計画で、本田会長は「海外への寄贈もめざす」と語る。
同慰霊会の副会長を務める公明党の山本信幸市議は、この活動を一貫してサポート。秋野公造参院議員も嘉代子桜の保存に向けた取り組みを後押ししてきた。
「苗木と一緒に各地で、“平和の心”が育ってほしい。桜の逸話が後世にまで伝われば、うれしい」――。本田会長らは苗木に優しく触れ、願いを込めた。