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2021年8月5日

【主張】あす「原爆の日」 核禁条約の下で廃絶をめざす

核兵器禁止条約(核禁条約)発効後、初めてとなる「原爆の日」を、広島はあす、長崎は9日に迎える。

核の非人道性を訴え続けてきた被爆者の声が「核兵器は違法」とする核禁条約として実を結んだ。76回目となる原爆の日を、核を違法とする規範の下で核廃絶へ向かう新たな旅立ちの日としたい。

それには、核軍縮の遠い先に廃絶を見るだけの考え方では不十分である。なぜなら、核禁条約が画期的な内容を含んでいるからだ。

まず条約の締約国に対し、国家存亡の危機のような自衛の極限状況でも核の使用を禁じ、また、相手に攻撃をためらわせる核抑止も禁じた。さらに、核保有国の条約加盟も認めた。最初に廃絶の方針を決めて締約国となった後、廃棄を進めるというゴールからのアプローチを取った。

「安全保障上、核は必要」とする核保有国にはどれも受け入れがたい規定だ。また、非保有国でも日本や韓国、北大西洋条約機構(NATO)諸国のように、米国の核抑止力に自国の安全保障を依存する「核の傘」の下にある国々にとっても困難だ。

そのため日本政府は、核禁条約には署名も批准もしない方針だが、公明党は将来の批准をめざし、その環境整備をするよう求めている。唯一の戦争被爆国として何もしないわけにはいかないからだ。

公明党の斉藤鉄夫副代表は日本の取り組みに関し、2月の衆院予算委員会で「核抑止に代わる新しい考え方、安全保障の基盤を考えるということを日本がリードしてもいいのではないか」と主張。茂木敏充外相は「安定的な形で核に頼らず、そういうことができるというのが望ましいと思っており、そういった検討は進めなければいけない」と応じた。ぜひ実行してほしい。

核に頼らない安全保障の議論が保有国と非保有国の間で進めば、核廃絶への新たな構想も開ける可能性がある。まずは、日本がその議論を主導するために、来年1月開催予定の核禁条約締約国会合にオブザーバーとしてでも参加する必要がある。

核廃絶の議論の場に臨まなければ、新たな旅立ちの第一歩を踏み出せない。参加に向けた努力を求めたい。

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