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児童の避難 690回超す
米軍機 窓落下事故から1年
沖縄・宜野湾市議会が普天間第二小など調査
常態化する不安と恐怖
校庭内の避難所を視察する(左2人目から)岸本、真喜志、伊波の各議員
沖縄県の宜野湾市立普天間第二小学校の校庭に、米軍普天間飛行場所属の大型ヘリコプター・CH53Eの窓が落下した事故から、きょう13日で1年。これに先立ち、宜野湾市議会が5日、同校などの調査を実施。公明党の岸本一徳、伊波一男、真喜志晃一の各議員が参加した。
「バッバッバッ…と、機体の音が聞こえたら、目視で確認し、すぐに避難する。こうした行動が常態化している」。米軍普天間飛行場に隣接する普天間第二小学校の校庭で、桃原修校長が市議会議員に語った。
2017年12月13日の午前10時ごろ、体育の授業で児童らがいる校庭に、約90センチ四方、重さ7キロほどの金属製の窓が落ちてきた。米軍機の窓だった。落下した風圧で飛んできた小石で一人の男児がかすり傷を負ったが、一つ間違えば、大惨事となる重大事故だった。
今年2月、事故直後から中止していた校庭の使用を再開。校内に監視カメラと沖縄防衛局の監視員、誘導員が配置され、米軍機の接近時に児童らへ避難指示、誘導を行ってきた。使用再開後から11月末までの避難回数は693回。月に200回を超すこともあった。
10月からは、校庭の西側と東側に屋根付き避難所が設置されたことを受け、監視員らの配置を解除。現在は、教師と児童の判断で避難行動をとっている。
授業に支障、教師の負担増す
市議会の調査では、校庭にある2カ所の避難所などを確認。質疑応答で桃原校長は「授業に専念したいと思うが、児童たちの不安は大きく、支障は出ている。避難の判断を担う教師の精神的負担も大きい」と心情を吐露した。
この後、市議会の一行は、緑ヶ丘保育園を訪問した。普天間第二小学校の落下事故の1週間前、同園舎の屋根に米軍機のものと思われる部品が落下していた。市議らは園児の保護者らと面会し、落下場所を視察。意見交換中に同園の上空を飛ぶ米軍機の騒音で、会議が中断する場面もあった。
公明、再発防止に全力
市議会公明党は、市議会による抗議決議の策定を推進し、不安を抱く市民の声を日米両政府に発信。また、事故後の昨年12月26日に国会で、公明党の山口那津男代表に市議会の再発防止を求める要請を各会派の代表らと共に提出。席上、山口代表は監視カメラ設置の必要性などを確認していた。
今回の調査後、市議会公明党の各議員は「不安と恐怖を感じる市民を守るため、一日も早い普天間飛行場の危険性の除去へ全力を尽くす」と語っていた。