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2021年8月2日

コラム「北斗七星」

「戦争は人の心の中で生まれるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」。ユネスコ憲章前文の有名な言葉である◆子どもの頃、大阪の実家の隣に広島の原爆被爆者Yさんが住んでいた。常に声を掛けてくれる優しい人で、家に呼ばれておやつをごちそうになったものだ◆小学5年生の夏休みの宿題でYさんの被爆体験を初めて聞いた。原爆で妹と弟を失い、自らも家の下敷きになり奇跡的に助かったことを淡々と語ってくれた。妹さんは全身にやけどを負い原爆投下の2日後まで、搬送された体育館で生きていた。ようやく再会できた父親が声を掛けると、「ゆうべは夜通し歌う人がいて眠れなかった」と快活に話したという。その30分後、肉親に会えた安心感の中で息を引き取った。忘れられない話だ◆4年前、再びYさんを訪ね、被爆体験を録画し地域の平和集会で上映。参加者から「原爆の恐ろしさを痛感した」と大きな反響を得た◆先日、原爆投下直後の「黒い雨」で健康被害を受けたとして広島県内の84人が被爆者健康手帳の交付を求めた訴訟で、政府は原告全員に手帳の交付を命じた広島高裁判決に対する上告を見送った。戦後76年の今なお、社会に影響を与え続ける戦争。悲惨さを語り継ぎ、平和の要塞を築く連帯を広げたい。(鷲)

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