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2021年7月31日

【主張】「黒い雨」判決確定 原告以外の被爆者認定も急げ

広島への原爆投下直後に降った「黒い雨」を巡る訴訟で、原告84人全員を被爆者と認めた広島高裁判決が29日、確定した。

高裁判決を受けて政府は最高裁に上告するか協議していたが、菅義偉首相が26日に上告見送りを表明していた。

その理由について首相が「原子爆弾による健康被害の特殊性にかんがみ、国の責任において援護するとの被爆者援護法の理念に立ち返って、その救済を図るべきである」との見解を談話で示したことは重要だ。

公明党の山口那津男代表は「首相の政治決断を大いに評価したい」と述べている。

放射性物質などを含む「黒い雨」について国は、1時間以上降り続いたとされる「大雨地域」を、被爆者援護法に基づく援護対象区域に指定。区域内に住んでいた住民は無料で健康診断が受けられ、がんなどの疾患にかかれば被爆者健康手帳が交付され、医療費負担が免除される。

原告は原爆投下時、対象区域の外側に住んでいたが、黒い雨を浴びたとして被爆者認定を争っていた。今回の判決確定を受け、広島市は広島原爆の日の8月6日までに手帳を交付する考えだ。

また、首相は先の談話で、「訴訟への参加・不参加にかかわらず認定し救済できるよう、早急に対応を検討する」とした。

原告はもとより、同様の立場にある人たちは高齢になっている。速やかに救済の手を差し伸べるべきだ。

高裁判決の確定を受けた政府の対応方針によって、新たに被爆者認定の対象となる人は「1万3000人ぐらい」(広島県の湯崎英彦知事)に上るという。

今後、国と関係自治体が協議し、被爆者を認定するための指針を改定する。それぞれが知恵を出し合い、分かりやすく公平な認定基準を定めてほしい。

援護対象区域の拡大も検討課題だ。厚生労働省は昨年11月、区域の拡大を視野に入れた有識者検討会を発足させている。首相談話の趣旨を踏まえ、議論の加速化を求めたい。

長崎に投下された原爆でも「黒い雨」が確認されている。広島と同様に国は対応を急ぐべきだ。

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