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災害時の踏切 緊急車両の通行しやすく
改正法で義務付け、早期開放へ手順策定
国交省、181カ所指定
政府は、災害時に鉄道が緊急停止した影響で、長時間遮断された踏切の解消への取り組みを本格化させる。国土交通省は6月30日、災害時に救急車など緊急車両が円滑に通れるようにするため、26都府県181カ所の踏切を指定した。公明党の推進で2021年3月に成立した改正踏切道改良促進法に基づく措置。
改正法では、指定された踏切について、国や自治体といった道路管理者や鉄道会社らで協議の場などを設け、災害時の早期開放に向け遮断機を速やかに上げる手順を策定したり、警察や消防など関係機関との連絡体制を決めたりすることを義務付けている。
対象は、1時間に10回以上の電車が通過し、災害時に迂回する場合10分以上かかる踏切。災害時に物資や人員輸送で使用する緊急輸送道路と交差していることなども条件となる。
国交省は、今回初の指定となった181カ所の踏切について22年6月末までに手順などの策定を促すほか、25年度末までに全国約500カ所の指定をめざす。
公明、政府に要請
改正法のきっかけは18年の大阪府北部地震。多くの踏切が長時間遮断され、通常なら7分程度で着く救急車が、到着までに約42分かかる事態が発生した。公明党は同地震発生後、党内に対策本部(本部長=北がわ一雄副代表)を設置し、早期復旧・復興と被災者支援に奔走。18年8月には、菅義偉官房長官(当時)に対し、鉄道踏切の長時間遮断に対する解消策の検討などを要請していた。