ニュース
視覚障がい者 点字機器購入に補助
一人の声をつなぎ実現
生活用具給付事業の要件緩和
兵庫・川西市
兵庫県川西市は今年度から、視覚障がい者がパソコンの文字情報を点字で読み取ったり、点字で打ったメモを保存して残したりできる機器「点字ディスプレイ」の購入費補助について、対象者の要件を従来の「視覚と聴覚の重度重複障がい者」から、「視覚障がいの単一障がい者」でも認めるように大きく緩和した。一人の相談者の声を基に、公明議員の連携プレーで実現した。
市担当者(左端)と懇談する(右隣から)麻田市議、岡本さん、山本市議
川西市は今回、障がい者や難病患者などの日常生活を手助けする福祉用具を給付・貸与する「日常生活用具の給付・貸与」事業について、対象者の要件緩和や品目の追加、給付額の増加など、制度を拡充。このうち、コンピューターの文字情報を点字で読み取れる点字ディスプレイについて、これまで「視覚障がい者および聴覚障がい者の重度重複障がい者」となっていた給付要件を「視覚障がい者」の単一障がいでも給付できるように見直した。
自己負担額は原則、購入費の1割。生活保護世帯、市民税非課税世帯は負担ゼロ。
隣接市の公明議員が連携
給付要件見直しのきっかけは昨年11月、川西市に隣接する伊丹市議会公明党の山本恭子議員が、川西市在住の視覚障がい者・岡本昇さん(52)から相談を受けたことだった。
8年前まで伊丹市に住んでいた岡本さんは、面識があった山本議員に対し、長年愛用してきた点字ディスプレイの部品が劣化し、取り替え部品の製造も終わっており、約40万円もする新しいディスプレイに買い換えるのに「行政の補助を受けられないか」と相談を持ち掛けた。この内容を山本議員は、川西市議会公明党の麻田寿美議員へつないだ。
麻田議員は早速、岡本さんと懇談。その後、川西市に確認すると、点字ディスプレイの給付補助事業はあるものの、給付対象の要件が「視覚障がい者および聴覚障がい者の重度重複障がい者」となっており、単独の視覚障がい者の岡本さんは対象外だった。
麻田議員は市障害福祉課を岡本さんと共に訪れ、「何とか補助対象の要件を緩和してもらいたい」と粘り強く要望。これを受け市は改善の検討を重ね、市長の決裁を得て、要件緩和が実現した。
岡本さんは、最新型の点字ディスプレイを行政の補助を受けて購入することができ、「自己負担額が1割になって本当に助かった。公明党のおかげだ」と山本、麻田の両議員に感謝していた。