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施設移転、10年前の約束果たす
埼玉・三芳町
林伊佐雄町長(左から3人目)や須田勉施設長(左隣)らと「三芳太陽の家」を視察する町議会公明党のメンバー(右側3人)
埼玉県三芳町は先ごろ、郊外にあった障がい者福祉施設「三芳太陽の家」を町の中心部に位置する町役場内に移転させた。「移転が実現して良かった」と喜ぶのは、伊東久子さん(78)。知的障がいのある娘の智子さん(51)が同施設に通所して33年になる。自宅から車で30分以上かかっていたが、今では約10分と近くなった。
久子さんは常に心配していたことがあった。「災害や体調不良の緊急時に娘のもとにすぐ駆け付けられない」。また、施設が郊外にあり、地域の人と触れ合う機会がほとんどなく、「人との交流機会を増やしてあげたい」とも案じていた。いつしか、所属する「三芳町手をつなぐ親の会」(平原ひろみ会長)のメンバー共々、町中心部への移転を願うように。
2011年春、同会の平原会長は、久子さんら保護者の要望を公明党の内藤美佐子町議に伝えた。内藤町議は、同会と「太陽の家家族会」のメンバーからも声を聞き、実現を誓った。
最初に町へ移設を提案したのは12年12月定例会。しかし、町側からは、予算と土地の確保が困難なことを理由に前向きな回答は得られなかった。それでも諦めず、一貫して推進。18年5月、紹介議員になって移設に関する請願を町議会に提出。この請願が全会一致で採択され、今年5月に町役場敷地内への移転が実現の運びとなった。
要望を伝えてから10年。平原会長は「長年の要望を実現してくれた。内藤議員に本当に感謝している」と、その粘り強い取り組みをたたえていた。