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2021年7月21日

プッシュ型行政サービス

申請主義の弊害解消めざす 
党政策パンフに明記

行政の側から住民に必要な情報を積極的に知らせることで、さまざまな行政サービスを対象者が漏れなく利用できるようにする「プッシュ型行政サービス」。公明党は次期衆院選に向けた政策パンフレットに、デジタル技術を活用した同サービスの実現を明記した。自治体の先行事例から利便性を探った。

日本の行政サービスは、住民が自ら申請することを利用の前提とした「申請主義」に基づいている。制度の対象者であっても、情報を知らなかったことで申請に至らないケースが少なくない。

このため、申請主義の弊害解消をめざして、住民の問い合わせを待たずに、必要な行政サービスにつなげていくプッシュ型の仕組みが各地で進められている。

使える制度、LINEで通知
検診や医療費助成など23事業
千葉市

プッシュ型通知の仕組み

千葉市は今年1月から、同市が保有する個々の住民データを活用し、その人が利用できると推測される行政情報をLINEで通知する「あなたが使える制度お知らせサービス(略称・For You)」を開始した。市によれば、同様のサービスは全国初の試み。

通知対象の制度は、がん検診や予防接種、ひとり親家庭などへの医療費助成、上下水道料金の減免など計23事業。特に“申請忘れ”のリスクが高いと判断された事業から選んだ。市民の世帯構成や税情報を分析して各制度の受給対象者を絞り込み、個別にメッセージを送る仕組みだ。

申し込み手続きは、千葉市の公式LINEアカウントを友だち追加し、画面の案内に沿って「登録番号」を申請する。3週間ほどで登録番号が自宅に郵送され、それをLINEアカウントから入力すると、市から通知が届くようになる。

市業務改革推進課の担当者は、「制度について市民が自ら調べる時間や負担を減らすことで、受給漏れの防止につなげたい」と強調する。同事業への申請数は15日現在で6648件。市は引き続き事業の周知に努め、利用状況を見ながらシステムの改善につなげていく方針だ。

予定日をメール配信
子どもの予防接種忘れずに
東京・三鷹市

「ゆりかごスマイル」を愛用する高橋さん親子=東京・三鷹市

子どもの定期予防接種はワクチンの種類が多く、それぞれ回数や対象年齢が異なる。複雑な日程を自動管理し、予定日が近づくとメールなどで知らせることで“接種忘れ”の防止につなげようとする自治体が増えている。

東京都三鷹市が2017年7月から導入した「ゆりかごスマイル」は、予防接種の日程をウェブサイト上で簡単に管理できる。接種日が近づくと通知メールが届き、妊婦健診や乳幼児健診の案内も受け取ることができる。

サイトへの接続数は1日当たり約1000件(同市健康推進課)と好評で、「予防接種への電話による問い合わせが減った」という。

2年前から利用している2児の母の高橋有貴さんは、「サイトを窓口に、さまざまな子育て支援情報が分かるので、とても便利です」と話していた。

マイナポータル、基本インフラに

マイナンバーの個人向け専用サイト「マイナポータル」は、保育や児童手当の現況届など、忘れがちな手続きを事前に知らせる機能を備えている。個々の状況に合わせた子育てサービスの検索や、オンライン申請を行うことも可能だ。

マイナポータルから行政情報の通知を行っている自治体は、東京都江東区など一部にとどまっているのが現状だ。国はさらに活用を広げたい考えで、「プッシュ型行政サービスを実現する基本インフラとして充実させたい」(内閣府大臣官房番号制度担当室)と強調する。

使いやすい仕組み進める

公明党地方自治体デジタル化推進委員長 国重とおる衆院議員

支援を必要としている人ほど、制度について調べたり、手続きを行う時間の余裕がなく、行政サービスにたどり着けない傾向にある。プッシュ型行政サービスを充実させることで、情報や支援策をしっかり届けられる社会を実現したい。

その上で、公明党の推進で5月に成立したデジタル改革関連法は大きな一歩だ。同法により、緊急時の給付金の支給に際して、自治体はマイナンバーを通じて課税情報などを確認できるようになり、申請不要で給付金を受け取れる仕組みが実現した。既に、コロナ禍で生活が苦しい子育て世帯を支援する給付金の支給に適用されている。

政府は現在、プッシュ型行政サービスの手段として、マイナポータルの活用に力を入れているが、使いやすさに課題を抱える。誰もが簡単に利用できるよう、改善を促していく。

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