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2021年7月21日

コラム「北斗七星」

スポーツの名場面は、実況中継の言葉によって、より深く心に刻まれるに違いない。2004年アテネ五輪の体操男子団体の決勝。「伸身の新月面が描く放物線は、栄光への架け橋だ!」――金メダルを決めた日本の冨田洋之選手の鉄棒の着地を、刈屋富士雄アナウンサーの実況と共に記憶する人も多いだろう◆意外だが、この言葉は事前に用意したものではなかったと刈屋さんは語っている。低迷する「体操ニッポン」が復活できるか、刈屋さんは長年、取材していた。決勝の最後は鉄棒。練習で見た着地への動きを“架け橋”のように感じ、銅メダル以上なら「復活の架け橋」と言おうと決める◆冨田選手の演技途中、高難度の離れ技で鉄棒をつかめれば金だと確信。つかんだ瞬間、「よし、取った!」と叫ぶ。そして、最後の着地で「栄光への架け橋だ!」と、つむぎ出した◆実況中継では事前の準備が欠かせない。競技のルールや過去の記録、選手の情報や映像など、多くの素材を基にアナウンサーとスタッフは打ち合わせる。準備を重ねた上で、その場、その瞬間でしか感じ取れない空気をどう伝えるかに心血を注ぐ◆新型コロナによって1年遅れた東京五輪。きょう、福島でのソフトボールから競技がスタートする。初の無観客五輪、伝える側も新たな挑戦が始まる。(光)

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