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【主張】前科による資格制限 18、19歳の社会復帰へ緩和が課題
前科があると特定の職業に就く資格が制限されるなど、犯罪で刑に服した人の社会復帰は容易でない。
しかし、現在は20歳未満の時の犯罪で有罪となっても刑を終えれば資格制限はなくなり、執行猶予期間中でも全く資格制限は掛からない。
この少年法上の特例を、来年4月から民法上は成人となる18、19歳にも適用し、社会復帰を応援すべきではないかという議論が法務省の検討グループで先月末から始まった。若年者の再犯防止、健全育成の視点で資格制限の緩和を検討することが重要だ。
先の通常国会で成立した改正少年法(来年4月施行)は、18、19歳も少年として扱い健全育成の対象とした。しかし、成人としての社会的責任もあるため、資格制限については成人と同様に課すことになっている。
これに対し衆参の法務委員会は、改正法への付帯決議の中で、18、19歳の「若年者の社会復帰を促進するため」に、前科による資格制限のあり方について業務の性質や実情を踏まえた検討をするよう政府に求めた。これに法務省が応じ、有識者らによる検討グループが設置された。
前科による資格制限は、業務の社会的信頼性を守るためである。いくら健全育成、社会復帰が大事であっても、業務の社会的信頼性とのバランスを欠いてはならない。
資格制限としては、保健師、助産師、看護師、理学療法士、栄養士、調理師などは罰金以上の刑に処せられたときは免許が与えられないことがある。また、公務員や自衛官は執行猶予期間中は採用されないし、刑を終えても一定期間は資格制限が続く職業もある。こうした制限を個別に検討し、どれが緩和可能なのかを調べる必要があり、政府全体としての取り組みが必要となる。法務省はまず、どの資格について制限緩和のニーズがあるかを調査することから検討作業を始める予定だ。
少年法は犯罪が重大な場合、刑事裁判による処罰も認めている。その場合でも健全育成の理念に基づき、刑を終えた後の更生チャンスを与えるために資格制限を緩和している。18、19歳も少年法上の少年とした以上、社会復帰への配慮を求めたい。









