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2021年7月17日

国産ワクチン 早期実用化へ

国挙げて研究・開発支援 
公明提案、政府戦略に反映 
党ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチーム 秋野公造事務局長に聞く

新型コロナウイルス感染症の収束へ、待ち望まれるのが国産ワクチンだ。公明党は4月28日、早期実用化に向けた緊急要望を菅義偉首相に提出し、政府が先月まとめた「ワクチン開発・生産体制強化戦略」に色濃く反映された。それらの内容について、党新型コロナウイルス感染症ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチーム(PT)事務局長で医師の秋野公造参院議員に聞いた。

党ワクチン・治療薬開発推進プロジェクトチーム 秋野公造事務局長

――国産ワクチンについての公明党の考えは。

日本特有の変異株の発生も懸念されており、ワクチンを輸入に頼りきりでは、それに効くものを開発してもらえない可能性がある。国際情勢によっては供給を絶たれる恐れもある。

こうした問題意識から、首相への緊急要望では、次なる感染症への備えも念頭に、ワクチンの①研究・開発②治験と承認③製造基盤と原材料・資材の確保――の課題解決に向けた方策を提案し、政府戦略に反映された。公明党が今月発表した「政策パンフレット」でも、国産ワクチンの「迅速な開発・実用化」を進める方針を改めて打ち出した。

――国内での研究開発をどう支援するのか。

医療分野の研究開発支援は近年、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)に人員を割いて担ってきたが、医療や感染症を所管する厚生労働省からは切り離されており、時限的な研究を公募する運用のため論文発表数も少ない。それでは企業の継続的な開発や生産体制の強化につながらず、一刻も早く成果が求められる今回のような緊急時には機能しなかった。

この反省に立ち、公明党は緊急要望で「厚労省が責任を持って司令塔の役割を果たすべきだ」と、厚労省の人員など体制を強化し、国を挙げた研究開発支援に全力を尽くすよう求めた。

これを受け政府戦略では、AMED内にワクチンを巡る先進的研究開発戦略センター(スカーダ)を新設し、研究費を戦略的に配分するとしたが、その意思決定には厚労省の次官級の医務技監が加わり、平時から同省の新部署がスカーダへ助言すると明記。国策として緊急時のワクチン開発支援を進める体制が担保された。

ワクチン開発には、ウイルスなどの病原体を安全に扱える実験施設が必要となる。そのため公明党は国会質疑などを通じ、最高度の安全実験ができる「バイオセーフティーレベル(BSL)4」施設と連携した基礎・臨床の研究体制構築を主張。これに沿った構想が政府戦略に盛り込まれた。

治験・承認、製造の課題解決策も

――治験・承認では。

国産ワクチンの実用化を急ぐため、政府においては“薬事承認の枠組みを超えて緊急使用を認めることありき”の議論も散見されたが、それでは有効性・安全性をチェックする薬事承認制度への信頼が損なわれかねない。まずは現行制度の下で実用化を最大限に早めることを基本に、制度を見直す場合も、国際的な合意にのっとるべきというのが基本的な考え方だ。

――具体的に緊急要望では何を訴えたのか。

国内で実施が困難になっている最終段階の大規模臨床試験(第3相試験)の代替策について、薬事規制当局国際連携組織「ICMRA」でのワクチン評価の指標に関する議論を主導し、早期に示すよう求めた。

これに沿って政府が取り組んだ結果、国際議論では従来の大規模臨床試験の代わりに、接種後の抗体量などを指標に既存のワクチンと比較して有効性や安全性を評価する新たな手法を用いる方向となっている。政府は業界に対し、この方向で同試験への準備を進めて差し支えないとの見解を示した。今後、国産ワクチンの開発加速化が期待される。

政府戦略では、次なる感染症に備えるため、輸入ワクチンも含めた治験・薬事承認の迅速化へ、米国の緊急使用許可(EUA)などを参考に制度を見直す議論も提起された。わが国の薬事承認への信頼が損なわれないよう、丁寧な検討を求めたい。

――ワクチンの製造基盤と原材料・資材の確保は。

政府戦略では公明党の訴えを踏まえ、製造基盤に関して、平時はバイオ医薬品、有事はワクチンといった形で両用性のある民間設備の構築を支援するとした。原材料・資材の国内自給の推進も明記した。

今後は、各府省などの動向をキャッチしつつ、国産ワクチンをいち早く国民に届けられ、次なる感染症への備えが充実するよう、政府や企業と連携したい。

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