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2021年7月10日

ふるさと納税、アプリ活用 飲食店を「こども食堂」に

コロナ禍 2万食超を無料提供 
家計が苦しい子育て世帯支援 
15店舗が土日に10食ずつ 
茨城・境町

茨城県境町は現在、コロナ禍の影響により、家計が苦しくなって子どもの食事に困っている家庭と、入店する客の減少などに悩む飲食店を同時に支援するため、ふるさと納税の寄付金を財源に、町内の飲食店が用意する食事を子どもたちに無料で提供している。町が「境町こども食堂」と銘打つ試み。離れている人にもごちそうできるスマホアプリ「ごちめし」(Gigi株式会社)を活用し、昨年4月の開始以降、提供数は2万食を超える。

「珈琲四季」で食事提供する現場を見守る輿水氏(右から2人目)、田山町議(右端)

「境町こども食堂」には現在、町内の割烹やパン屋、居酒屋など計15店舗が参加。毎週土曜日と日曜日の午前11時から、弁当を10食ずつ無料で提供している。メニューは日替わり弁当など各店のオリジナルで、毎回「完売」という。開店前に整理券を配布している店もある。

対象は、町に住む18歳以下の子ども。来店時に店の2次元コードをアプリで読み取ることで、無料でテークアウトできる。保険証の提示でも受け取り可能。アプリの地図上で残食数をリアルタイムで確認することもできる。

「境町こども食堂」は、アプリ「ごちめし」を活用していることが最大の特長。食事代と手数料10%を支援者が寄付し、それを財源に店が食事を無料で提供できる仕組みとなっている。自治体が財源を負担することもでき、境町はふるさと納税を原資に、1食当たり350円を補助している。個人の支援者からの寄付金が集まっている参加店舗もあるという。

「こども食堂」の参加店舗の一つである喫茶店「珈琲四季」は、看板メニューのオムライスを提供している。この店を経営して約20年の大塚誠さん、勝美さん夫妻は、コロナ禍の影響で売り上げが以前より約4割減少したという。「客足も売り上げもこんなに減ったのは初めて。しかし、『こども食堂』のおかげで、土日は必ずお客さんが来てくれる。店の味のファンになってくれる人もいてうれしい」と語る。

この店で娘のオムライスを受け取った中村友里さんは「コロナ禍で世帯収入が1割余り減ってしまった。1食分の提供が本当に助かっている」と話していた。

公明党の田山文雄町議は2018年3月の定例会で、日本の子どもが7人に1人の割合で貧困状態にあることなどに言及し、町として子どもの貧困対策を実施するよう求めていた。

輿水恵一前衆院議員がこのほど、橋本正裕町長、田山町議と共に「境町こども食堂」の様子を視察し、「子育て世帯と飲食店の両方を支援できる画期的な取り組みだ。持続可能な仕組みとして参考にしたい」と語った。

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