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2021年7月8日

コラム「北斗七星」

子ども心に何かしら引っ掛かるものがあった。歴史の教科書などで初めて目にする郷土の記述は、未開の“蝦夷”が住む土地。それが、世界にも注目される誇るべき文化がこの地で育まれていたとなれば、胸が空く思いがする◆「北海道・北東北の縄文遺跡群」が今月、国連教育科学文化機関(ユネスコ)によって世界文化遺産に登録される見通しに。北海道、青森、岩手、秋田の4道県に点在する17遺跡で構成。縄文時代を通した遺跡がそろい、津軽海峡を挟んで地域特有の文化圏を形成していたことなどが評価された◆各地の貝塚や集落跡などからは、狩猟採集を基盤に定住生活を送り、1万年以上にわたって厳しくも豊かな自然と共に生きた営みが見て取れる。出土品の中には亡き肉親をしのんだり、障がいがありながら周囲の助けを得て成人したことなどが分かる遺物も◆動物を含めた全ての命あるもの、環境をはじめ道具などにも慈しみの目を向け、祭祀・儀礼を行っていた痕跡の数々。「争いのなかった時代」ともいわれ、城や寺院といった支配層や特権階級の威勢を示す派手さこそないものの、庶民の暮らしぶりや高い精神性をうかがい知ることができる◆持続可能性が問われる現代。遺跡群が物語る「共生社会」実現へのメッセージが広く発信されることを願う。(武)

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