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生命守るインフラ強く
2次補正予算案で79項目要望
学校の安全を確保
風疹予防接種 免疫ない男性無料で
(公明提言の主な内容)
▽危険な河川で堤防をかさ上げ
▽空港や港湾などの耐震化推進
▽TPPに備え農業担い手支援
▽中小企業向けの補助金を拡充
▽風疹の抗体保有率を85%に
公明党の石田祝稔政務調査会長らは3日、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、政府が月内に編成する今年度第2次補正予算案について、79項目にわたる重点政策への予算確保を求める安倍晋三首相宛ての要望書を提出した。
命を守るインフラ(社会基盤)の整備など防災・減災対策や、環太平洋連携協定(TPP11)の発効に備えた農林水産業の強化、中小企業・小規模事業者への支援、風疹など喫緊の課題への対応が要望の柱。菅官房長官は「確かに承った」と応じた。
席上、石田政調会長は、大規模な自然災害などに備えて万全の対応を講じるため、防災・減災、国土強靱化に向けた対策を今年度から着実に実施することが重要だと強調。「ぜひとも政府として努力してもらいたい」と述べ、予算確保を強く要望した。
具体的な施策として、災害時に人命に危険が及びかねない河川の堤防かさ上げなどを要請したほか、熊本地震や北海道胆振東部地震、台風21号などを踏まえ、幹線道路や港湾、空港、水道施設、浄化槽といった重要インフラの防災機能強化を訴えた。
特に安全・安心な学校施設の整備に関して石田政調会長は、「特別教室や体育館への空調設備設置を進めてもらいたい」と強調。災害からの復旧については「樹園地の復旧・基盤整備の強化を」と求めた。
また、日本など11カ国が参加するTPP11の今月30日発効を踏まえ、農林水産業の強化の観点から、次世代の担い手育成支援や、農林水産物の輸出促進対策などを要請した。
中小企業・小規模事業者への支援については、現場からのニーズが高く、生産性向上へ設備投資などを後押しする「ものづくり補助金」や「IT導入補助金」などへの支援を要望。年度内に執行できる仕組みとなるよう求めるとともに、軽減税率実施に向けた補助金拡充なども強く申し入れた。
さらに、石田政調会長は、喫緊の課題として、感染が拡大している風疹対策の重要性を強調。「抗体保有率の低い世代の男性の抗体検査を全国で無料実施するとともに、抗体価が低い人への適切な予防接種措置を講じてほしい」とし、定期接種化を図るなど東京五輪開催までに同世代男性の抗体保有率を85%以上にすることなどを求めた。菅官房長官は「万難を排して対応する」と答えた。