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2021年6月10日

誰も孤立させない

防止策に取り組む公明党 
コロナ受け強化急ぐ 
1000件超の調査もとに提言 
山本香苗 対策本部長に聞く

誰も孤立させない、ひとりぼっちをつくらない――。「社会的孤立」を巡る課題がコロナ禍で一層深刻化している状況を受け、公明党は今年2月に社会的孤立防止対策本部(本部長=山本香苗参院議員)を設置。5月21日には菅義偉首相と坂本哲志孤独・孤立担当相に提言を申し入れた。山本本部長に、これまでの公明党の取り組みや提言のポイントを聞いた。

山本香苗対策本部長

――社会的孤立を巡る状況と公明党の取り組みは。

山本香苗本部長 これまで公明党は、生活困窮者の定義に「社会的孤立」を追加した2018年の生活困窮者自立支援法改正や、高齢、障がいといった属性、世代を問わず市町村が包括的に住民を支援する「重層的支援体制整備事業」を創設した20年の社会福祉法改正をリードするなど、一貫して孤立防止に取り組んできました。

一方で、現在、コロナの影響が長引く中、子ども・若者・女性の自殺増加や、配偶者からの暴力(DV)・児童虐待、うつ・ひきこもり、孤独死などの問題が深刻化しています。これらの問題に加えて、社会的孤立は、健康悪化や経済の不安定化、社会保障給付費の増大などをもたらす恐れがあり、今こそ、対策のさらなる強化が必要です。

――党対策本部の活動について。

山本 有識者や民間支援団体から計9回ヒアリングを行うとともに、国会・地方議員が全国で1カ月半かけて、孤立の実態などについて聞き取り調査を計1039件実施。調査の結果、地域には社会的孤立の問題が多数存在することを再認識するとともに、支援制度だけではなく、支援する側も分野ごと、事業階層ごとに分かれ、孤立している実態が明らかになりました。

こうした状況を一刻も早く改善するため、現場の声をもとに提言を取りまとめ、首相らに申し入れました。

――提言のポイントについて。

山本 社会的孤立の基本認識として3点掲げた上で、具体策を提案しています。

基本認識では①社会的孤立とは、社会とつながりたくてもつながれない状態であり、個人の問題ではなく社会全体で対応し、国を挙げて取り組むべき②孤立している当事者はSOSを出せず、孤立は外から見えにくいからこそ、SOSを出しやすい環境や、当事者に伴走する支援者が重要③誰もが支え合う「地域共生社会づくり」こそ孤立対策の基盤であり、地道で息の長い取り組みが必要――の3点を強調しています。

包括支援、住まい確保など重要

――具体策については。

山本 特に、今年4月から市町村の任意事業として始まった重層的支援体制整備事業の全国展開を訴え、実施の義務化も検討するよう求めました。また、住まいを失うことで公的な支援を受けられず、命の危険にさらされる可能性がある実態を踏まえ、孤立を防ぐセーフティーネット(安全網)として住宅政策を位置付けるべきだと指摘し、住宅手当制度の創設などを提案しています。

さらに、民間団体への財政支援の拡充・継続、孤独・孤立対策の「10カ年国家戦略」策定、「官民連絡協議会」の設置なども求めました。

――今後の展開は。

山本 官民連絡協議会が今月にも開催される予定となるなど、早速、公明党の提言を受けた動きが始まっています。

その他の提案についても、政府の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に反映させるとともに、継続的かつ総合的に実施していくための法的枠組みの必要性についても検討してまいります。

社会的孤立の問題はコロナ前からあった問題であり、それがコロナでハッキリ見えただけです。だからこそ、この問題に真っ正面から取り組み、「絶対にコロナ前よりも良い社会をつくっていく」との強い決意で、引き続き全力を尽くします。

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