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義援金保護法が成立 差し押さえ禁止 恒久化
公明、一貫して合意形成リード
若松謙維 党推進プロジェクトチーム座長に聞く
自然災害の被災者が受け取る義援金を保護し、金融機関などによる差し押さえを禁止する自然災害義援金差押禁止法(議員立法)が、4日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。自然災害の頻度を踏まえ、国会閉会中でも対応可能な恒久的な仕組みが法的に裏付けられたことになる。党「義援金差押禁止法(恒久法)等の推進プロジェクトチーム」(PT)の若松謙維座長(参院議員)に同法のポイントや意義、公明党の取り組みについて聞いた。
――同法のポイントは。
若松 大きく二つある。一つ目は、各地から寄付者が拠出した資金を原資に、都道府県または市区町村が一定の配分基準に基づいて被災者に交付する資金を「自然災害義援金」と定義した。二つ目は、今年1月1日以降に発生した自然災害について、災害の大小を問わず同義援金であれば保護対象として、差し押さえや、義援金を受け取る権利を他人に譲渡することなどを禁止した。
――義援金の差し押さえ禁止はこれまで災害が起きる度に法制化されてきた。
若松 公明党は一貫して法制化を進めてきた。原点は2011年3月の東日本大震災。被災者から「義援金が借金の返済で差し押さえられそうだ」などの相談が党に寄せられたことにある。義援金は、被災者の生活再建を後押ししようと、全国から寄せられた真心の善意だ。公明党は、被災者支援を巡る与野党協議などで、差し押さえを禁止する法整備の重要性を主張。同年8月、義援金差し押さえを禁止する議員立法の成立をリードした。
これが契機となり、▽16年の熊本地震▽18年の大阪府北部地震や西日本豪雨▽19年の台風15、19、21号など▽20年7月の豪雨――と計5回、差し押さえ禁止の議員立法を作成、成立を後押ししてきた。
――公明党は国会質問や政府への申し入れなどで恒久法の制定を訴えてきた。
若松 日本弁護士連合会(日弁連)からの要請を受け、公明党は20年1月からPTでの議論を加速。義援金の寄託を受けてきた日本赤十字社や、義援金を実際に配布する被災自治体などから聴取し、論点整理を行った後、議員立法の骨子案を各党に提示するなど合意形成に努め、恒久法の成立にこぎ着けた。今後も、被災者目線に立った生活再建に全力を挙げていく。