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二人乗りベビーカー折り畳まず乗車OK
都営バス全路線で開始
都議会公明党が一貫して推進
日本では現在、母親の約100人に1人が双子や三つ子ら多胎児を出産している。東京都交通局の都営バスでは7日から、多胎児家庭を支援するため、131系統全路線で、二人乗りベビーカーを折り畳むことなく乗車できるようにした。一貫して推進した都議会公明党の取り組みとともに、「多胎育児のサポートを考える会」の市倉加寿代代表のコメントを紹介する。
二人乗りベビーカーの乗車場所を確認する、(左から)東村、まつば、高倉の各都議と遠藤さん、市倉代表
都営バス車内には、車いすやベビーカーを固定する場所を2カ所用意。2人乗りベビーカーで利用する場合、バス後方の扉から「2人乗りベビーカーです」と乗務員に声を掛け、乗車する。乗務員が座席を折り畳んだ場所に、ベビーカーを進行方向の後ろ向きに横付けし、車輪のストッパーをロック。その後、ベルトで2カ所固定する。乗り降りや、ベルトでの固定は乗務員が手助けする。
東京都は、こうした利用時の注意点などをまとめたリーフレットやポスターを新たに作成し、都営バスの車内で配布、掲示している。
「多胎育児のサポートを考える会」の市倉代表から、多胎児家庭の移動に大きな負担が伴うという実態を聞いた都議会公明党(東村くにひろ幹事長、都議選予定候補=八王子市)は、一貫して二人乗りベビーカーを折り畳まないでバスに乗車できる状態への改善を訴えていた。
高倉良生都議(同=中野区)は、2019年12月の議会質問で取り上げ、検討の必要性を主張。20年1月には、まつば多美子(同=杉並区)と栗林のり子の両都議が市倉代表らと共に、小池百合子知事に要望書を提出。小池知事は「関係機関などと調整を進めていきたい」と応じていた。また、都内のバス事業者が所属する一般社団法人東京バス協会に対し、ルール改善を求めてきた。
一方、都交通局などを通じて国にも働き掛けた結果、国土交通省は20年3月、乗り合いバスにおける二人乗りベビーカーについて、一定条件のもとで折り畳まずに使用できるように取り扱うことを基本とするガイドラインを発表した。20年9月には都営バス5路線で、二人乗りベビーカーを折り畳まず乗車できる体制の試行を実施していた。
東村、高倉、まつばの各都議は4日、市倉代表と多胎児を持つ遠藤俊太郎さんと共に、都交通局の渋谷自動車営業所新宿支社を訪れ、二人乗りベビーカーのバス乗車方法などを聞いた。まつば都議は「今後は、民間のバス事業者にも広がるよう、取り組んでいきたい」と語った。
「多胎育児のサポートを考える会」 市倉加寿代 代表
「誰も取りこぼさない」社会に
二人乗りベビーカーは、立ったり、歩いたりすることができない乳幼児を2人以上連れて、移動するには必要不可欠なものです。足が不自由な人にとっての車いす同様、移動に欠かせません。今まではベビーカーで都営バスに乗車する際、「畳めるならば乗車してよい」というルールが設定されていました。
しかし、乳幼児2人を抱っこやおんぶした状態で、10キロ超のベビーカーを畳んで乗車し、降車後に再度、広げて乗せる動作は現実的ではありません。「誰もが気持ちよく乗れる」公共交通機関に変わるため、今回の改正は必須でした。
2019年の秋に、全国の多胎児家庭の親を対象にアンケートを実施し、1591件のうち約9割が「外出が困難である」と回答。その大きな理由が「公共交通機関であるバスに乗れない」ということでした。これを受けて私たちは、都議会公明党と共に、東京都交通局や東京バス協会、国土交通省などに粘り強く改善を求めてきました。
私自身、何度も挫けそうになることがありましたが、公明都議が「多胎児家庭に優しい社会は、全ての人に優しい社会につながるはずだ」という信念のもと、ずっと伴走してくださいました。
これからも、多胎児家庭だけでなく、ひとり親、障がい児を育てる家庭、血のつながりのない家庭など、いわゆるマイノリティーに光を当て、「誰も取りこぼさない社会」の実現に向け、公明党には政策をリードしていただきたいと思います。
党公式チャンネルでも紹介
動画投稿サイト「ユーチューブ」の公明党公式チャンネルには、「2人乗りベビーカー 折りたたまず乗車可能に」がアップされ、都議会公明党の奮闘などが紹介されている。ぜひ、友人との対話に活用を。