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普段通りの生活を支援
がん患者、ウイッグや下着購入に補助
兵庫県
小谷さん(左から2人目)と懇談する(左から)島山、竹尾、芦田の各県議
兵庫県は今年度から、がん患者のアピアランス(外見)サポート事業をスタートしており、関係者から喜ばれている。
同事業は、治療によって脱毛や乳房切除など外見が変化したがん患者に対し、見た目を気にすることなく外出し、社会との接点を増やす後押しをするため、外見の変化を補完する補正具の購入費を一部助成するもの。事業実施主体は市町となる。
補助上限額は医療用ウイッグ(装着用ネット、医療用帽子含む)が5万円、乳房保護補正下着が1万円、人工乳房が5万円。所得制限は前年の所得額が400万円未満となっている。現在、県内18市町が手を挙げ補助を開始。このうち神戸市、加古川市、高砂市、播磨町では所得制限なし。
さらなる拡充へ 公明、専門家と懇談
これまで一貫して議会質問などで取り上げ、予算要望でもアピアランス支援事業を訴えてきた県議会公明党・県民会議の島山清史、芦田賀津美、竹尾智枝の各県議はこのほど、西宮市にある県立西宮病院内で、理髪店と医療用ウイッグの店を運営する理容師の小谷和也さんを訪ね、懇談した。
同病院の近くに乳がん患者の下着専門店もオープンさせた小谷さんは、「全国をリードする補助制度ができた。がん患者の皆さんが普段通りの生活ができるよう、アピアランス支援も心のサポートもしていきたい」と抱負を語る。
小谷さんは、専門店で患者一人一人の相談に乗り、各人にフィットした下着やウイッグをできるだけ安く提供できるように各メーカーの品物をそろえ、個々人に合ったフィッティングやメンテナンスを実施。がん患者グループの世話人をしたり、患者サロンの定期的な開催も行っている。
懇談した島山県議らは、「小谷さんのように、患者に寄り添う専門家の協力を得ながら兵庫県のアピアランス支援の取り組みを周知し、さらに拡充していきたい」と意欲を示していた。