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コラム「北斗七星」
親などによる子どもへの体罰が、改正児童福祉法などによって禁止されて、この4月で1年たった。しかし長年、体罰を容認してきたのだ。体罰や暴言などに頼らない子育てを広げるのは容易なことではない◆厚労省の研究会が委託した昨年末の調査によると、15~79歳の男女で、体罰を容認する人は4割に及ぶ。また、18歳以下の子どもを育てている人のうち、3分の1が直近半年間に「しつけとして、子どもに体罰(たたいたり、怒鳴ったり、閉じ込めたり)を与えた」と答えた◆「子どもの言動にイライラ」「子育てに自信が持てない」「経済的な不安」などのストレスを、いずれも半数近くが感じている。また、体罰を「日常的に」行っている親は15%だが、自分が子どもの頃に「日常的に」体罰を受けていた人たちに限ると、親になって体罰を日常的に用いている人は3分の1に及ぶ。こうした現実から、取り組みはスタートしたばかりだ◆厚労省は「体罰等によらない子育てのために」という指針を公開、子育てのあり方についてヒントがちりばめられている。人は、親や周囲から学び取ることによって、「親らしく」なれる。身近で子育てを見聞きすることが少ない今だからこそ、社会全体で子育てを応援する仕組みが求められているのではなかろうか。(繁)